AR/VR/画像処理【機械の目 Vol.2】4K動画から生成した静止画に位置情報を付ける

【機械の目 Vol.2】4K動画から生成した静止画に位置情報を付ける

前回の記事までで、4K動画から静止画化した写真は、十分なクオリティがあることが分かりました。
次は、これらに正確な位置情報を付けていきます。

弊社では、位置情報の取得に、準天頂衛星みちびきに対応したデータロガーを使い、1秒に1回の正確な位置情報を、さらに按分して利用します。



高速走行時の移動量

高速道路や鉄道軌道上を移動しながら撮影する場合、時速70-120キロを想定するとそれぞれ、1秒辺りでは下記のように移動量が変化します。

  • 時速72キロの場合:20メートル/秒
  • 時速120キロの場合:33.3メートル/秒

動画を30fpsで撮っている場合、1フレーム単位の移動量は

  • 時速72キロの場合:66.6センチ/フレーム
  • 時速120キロの場合:1.11メートル/フレーム
になります。



1フレーム単位で位置情報を付与するために位置情報を按分

映像の1フレーム単位で位置情報を付与するためには、1秒1回取得する緯度経度情報のA地点からB地点の位置を按分します。

撮影時は、よほどのことがない限りは(急加速減速をしていなく)等速運動をしていると見なすことが出来るので、1秒の間の加減速を考慮せず、均等にフレーム数で割ります。

また、按分方法には、地図上で正確に軌跡のラインを按分する方法と、緯度経度の数値演算だけで単純按分する方法がありますが、弊社で両者のやり方で距離を比較したところ、30分割に按分した線分66センチに対して、0.01ミリ以下しかずれが出ませんでした。

按分のイメージです。

  • 地図上で正確に軌跡のラインを按分する方法
  • 地図上で正確に軌跡のラインを按分する方法

    ほとんどずれていないことを確認できます。
  • 緯度経度の数値演算だけで単純按分する方法

緯度経度の数値演算だけで単純按分する方法

縮尺はQ-GISの最大値である21312倍で、画面上ではそのずれを認識できないレベルです。


按分した場合の(見かけ上の)精度

4K動画を静止画として切り出した上で、按分した緯度経度情報を付与したものが下記になります。

按分した場合の(見かけ上の)精度

背景地図のレベル18では、個々のアイコンをマウスで選択できない程度に密集しています。
高速道路の点線は、8mの白線と12mの空白区間の計20mで構成されています。按分した緯度経度との間隔を比較してください。
この精度で背景地図で確認できる地物と、映像に映っている部分をぴったりと合わせることができれば、"撮影日時の異なる同一地点画像を比較する"といった当初の目的に対して、位置情報を使えそうであることが分かります。

 ▼この記事を書いたひと

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R&Dセンター
松井 良行

R&Dセンター 室長。コンピュータと共に35年。そしてこれからも!


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