社員がゆく名機が間近に!あいち航空ミュージアムで航空機をみてきました

名機が間近に!あいち航空ミュージアムで航空機をみてきました

11月末にオープンした航空機をテーマにした博物館「あいち航空ミュージアム」に行ってきました!
今回はあいち航空ミュージアムの見どころをお伝えするとともに、合わせて愛知県の航空産業の歴史についてご紹介します。

そもそもなんで愛知に航空ミュージアムが?

私はこの春から愛知県に住むようになったので、「愛知といったら車!」というイメージがとても強かったですが、愛知県は自動車産業だけでなく、航空産業も盛んみたいです。

愛知県には、ボーイング機やロケットを生産するメーカーなどが集まっていて、国産ジェット旅客機の設計や開発の拠点らしいです。愛知県を含む東海地域は、航空機・部品生産額の全国シェアが約50%とのこと!
国の国際戦略総合特区「アジアNo.1 航空宇宙産業クラスター形成特区」の指定を受けていて、今後はアメリカのシアトルやフランスのトゥールーズと並ぶ航空産業の拠点を目指しているとのことです。

東海地域で航空産業が盛んになったきっかけって?

愛知県を代表する産業の一つである航空産業ですが、盛んになった背景にはこのあたりの土地利用の歴史が大きく関わっていることがわかりました。

きっかけとなった一つは徳川家康が作った人工の川らしいです。約400年前に名古屋城を築いたときに、資材の搬入のために名古屋城から港までを人工の川で結んでいます。その河口には木材集積所がつくられました。これこそが航空産業が発達したきっかけとなったといわれています。ここには岐阜県の木曽や美濃の良質で豊富な木材を、大阪や東京へと運ぶ拠点となったそうです。木材の集まる拠点に、楽器や時計をはじめとする木材を加工する技術も集っていったといわれています。木材流通のインフラが整備されていたのに加え、高度な加工技術が航空機の生産に大きく関わっていたのはなぜでしょうか?
それは航空機が作られた当初、機体の材料が木製だったためです。そのため飛行機の性能には木材の加工技術が大きく関わりがあり、木材の質、職人の技術の集まる名古屋を中心とした愛知に生産の拠点ができました。また機械や金属加工に欠かせない電力が豊富であったことも航空機メーカーが集まっていく要因だったといわれています。

愛知県の航空産業のきっかけを学んだところで、いよいよあいち航空ミュージアムへ!

地上2階建てのつくりで、上階から1階の展示を見下ろすことができるつくりです。屋上展望デッキに出ればハンモックがあり、滑走路からわずか300メートルの近距離で、航空機やヘリコプターの離着陸を見ることができます。

見どころ①名機100選

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エントランスから入って最初にあるのが名機100選です。その名の通り、世界の航空史を代表する航空機100機の模型が並んでいます。

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この展示は、模型飛行機で世界的に有名な田中祥一さんを中心とするグループが一つ一つ手作りしたものです。もともと名古屋空港が国によって運営されていた頃、ターミナル内にあった航空宇宙館に展示していたものです。

開館時には100機のうち31機が完成していましたが、その後、約20年かけて100機を完成させたそうです。その後2005年に県営化とともに閉館し、今回、13年ぶりに常設展示されることとなりました。
どの模型も1/25のスケールで展示されているので、サイズがわかりやすく比較しやすいです。そして細部まで再現されているので、とても見ごたえがありました。

ナカシャクリエイテブでは、この模型の修復と、展示の横にある年表パネルの制作、展示台の制作、航空機の部品の展示を実施いたしました。

見どころ②実機展示ゾーン

あいち航空ミュージアムには愛知県にゆかりのある航空機の実機が展示されています。
三菱重工業が製造した多目的小型ビジネス飛行機「MU2」や日本初の国産多目的ヘリコプター「MH2000」など本物の機体6機が展示されています。そのなかでも注目してもらいたいのが「YS-11P」と「零式艦上戦闘機」です!

YS-11P(52-1152)

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入口のある2階から眺めて見ることができるのが、YS-11です。まずこの大きさに驚きました!
YS-11は戦後初めて日本のメーカーが開発した旅客機です。初飛行はなんと名古屋飛行場!その後国内だけでなく国外へ182機が製造されていきましたが、既に民間や海上自衛隊、海上保安庁のYS-11は引退しています。航空自衛隊は13機を導入しましたが、2017年現在残っているのは9機だそうです。9機のうち、今回展示されているYS-11Pだけが日本全国の航空自衛隊基地を移動する人員輸送機で、残りの8機は点検飛行用らしいのです。
このYS-11Pですが、今年5月に美保基地(鳥取県境港市)から小牧基地(愛知県小牧市)間のフライトを最後に引退してしまいました。YS-11の最終組み立ては三菱重工の小牧南工場で行われていたことから「YS-11は小牧に始まり小牧に終わった」と言われています。
愛知県にとても馴染みのある航空機なのです。

零式艦上戦闘機五二型甲

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零式艦上戦闘機、通称零戦は太平洋戦争末期に操縦士が爆弾ごと敵艦に突っ込む「神風特別攻撃隊」が使用したことで有名です。
零戦は機体の形状とエンジンの型式によって複数の型があり、五二型は最も多く生産された型式です。展示されている零戦は1944年に大江工場で生産されたものです。1983年にミクロネシア諸島のヤップ島で発見された零戦の残骸の部品を回収し、約2年かけて復元したものです。
零戦は愛知県で生まれた機体で、戦前の日本の航空技術の高さを象徴しているともいわれています。

見どころ➂体験コンテンツ

あいち航空ミュージアムは航空産業をベースとした産業観光の拠点、航空産業を担う人材育成の推進をコンセプトとしていることから、実際に見てさわって感じて楽しめるコンテンツが盛りだくさんでした!
大型スクリーンで見る3D「オリエンテーションシアター」では愛知県の航空の歴史を学ぶことができたり、「飛行の教室」ではエンジン型のスクリーンにプロジェクションマッピングで映し出された映像で航空機のしくみについて知ることができます。

「フライングボックス」というアトラクションでは、映像と連動して上下左右に揺れるシートに座り、中部地域の空を飛行することができます。

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名古屋の都心の上空からビーチや山々まで、様々な自然の風景が楽しめます。

他ではなかなか体験することができないと思ったのは、さきほどご紹介したYS-11の運転シミュレーターパイロット体験です。

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操縦席に座り、実際に運転することができます。3つのステージ、離陸、巡行、着陸にチャレンジすることができます。

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すべてのステージが終わると認定証という形で、☆5つで評価された成績表をもらえます。近くにいるインストラクターが丁寧に操縦方法を教えてくれるので、はじめてシミュレーターゲームをした私でも存分に楽しめました。
ちなみに私は☆3つで、初心者であれば上出来とほめていただきました!

出口にはミュージアムショップもあります。航空機のおもちゃやフィギュアなどがたくさんそろっています。中にはこんなおもしろいお菓子もありました...

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今回はあいち航空ミュージアムの見どころを簡単にご紹介しました。ここは子供から大人まで楽しめる博物館だと思います。 ぜひ一度足を運んで、航空機の魅力、愛知の産業に触れてみてください。

あいち航空ミュージアム
開館時間10:00-19:00(休館日:火曜/祝日の場合は翌日)※最終入館 18:30
入館料大人 1,000円/高大生 800円/小中学生 500円
場所:愛知県西春日井郡豊山町大字豊場(県営名古屋空港内)
詳しくはこちらから!

参考資料

航空機産業の現在・過去・未来~前編~」2017/12/12アクセス

航空機産業の現在、過去、未来~後編~」2017/12/12アクセス

あいちの産業史」2017/12/12アクセス

空自の輸送機が最終フライト 小牧基地で式典」2017/12/12アクセス

 

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