4月に発生した熊本地震では、地震の影響で阿蘇大橋を中心とする山間地の斜面が多数崩壊した。南海トラフの被害想定では、津波、液状化、建物倒壊の被害に目が行きがちだが、熊本と同様の土砂崩壊が起きうる箇所も少なくない。そこで、愛知県下の鉄道、高速道路への影響を知るため、熊本地震の被害を参考として、同様の危険に見舞われる箇所がないかを確認する。
GIS主題図で分かったこと
使用したデータ≪提供元≫
・国土数値情報≪国土交通省≫
・南海トラフ巨大地震被害想定データ≪内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会≫
・熊本地震土砂崩壊地ポイント≪国土地理院≫
・熊本地震震度分布≪産業技術総合研究所 地質調査総合センター≫
・都市圏活断層図データ≪国土地理院≫
・愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査データ≪愛知県≫(非公開データ)
・地理院地図≪国土地理院≫
2011年の東日本大震災では、千葉・茨城県をはじめ複数の地域で液状化被害が発生、水道などのライフラインが長期間断絶した。
液状化被害の想定には、現代的な知見が重視されるが、実はそれと同程度に、過去地形に関する考察が重要である。
GIS主題図で分かったこと
※本内容は、名古屋大学減災連携研究センター・ライフライン地盤防災寄附研究部門の北野哲司寄附研究部門教授と共同で行った研究成果に基づいています。なお、当該研究の一部はJSPS科研費25282118の助成を受けたものです。
使用したデータ≪提供元≫
・国土数値情報≪国土交通省≫
・明治前期の低湿地データ≪国土地理院≫
・明治期の水部データ≪国土地理院≫
・数値地図25000(土地条件)≪国土地理院≫(販売データ)
・第一軍管区地方2万分1迅速測図原図≪(独)農業環境技術研究所≫
・地理院地図≪国土地理院≫
・国勢調査データ≪総務省「e-stat」≫
・千葉県地質環境インフォメーションバンク≪千葉県≫
・液状化被害箇所データ≪千葉県香取市HP≫
・水道管被害箇所≪千葉県香取市水道工務課≫(非公開データ)
・愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査データ≪愛知県≫(非公開データ)
昭和東南海地震から約70年活動が見られなかった南海トラフ上で、 2016年4月に地震が観測され、南海トラフ地震への影響が危惧されている。この地震において津波が発生すると予測されている名古屋市沿岸部には、大型の設備を持つ工場や企業など産業地域が広がっている。東日本大震災では沿岸地域で漁業や工業を中心に甚大な津波被害が発生した。
この主題図では、南海トラフ巨大地震による津波被害予測を元に、名古屋市沿岸部の製造業の従業員避難行動を考えるための要素を視覚化する。また自社設備の地図を用いたリアルなオリジナルハザードマップやBCPワークショップなどを通して我が事として捉え行動を計画する手法を提案する。
GIS主題図で分かったこと
使用したデータ≪提供元≫
・国土数値情報≪国土交通省≫
・南海トラフ巨大地震被害想定データ≪内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会≫
・地理院地図≪国土地理院≫
・津波避難場所≪各自治体HPより≫
・航空機産業関連企業≪各企業HPより≫
・e-stat経済センサス≪総務省統計局≫
日本の古い地名には、先人たちが災害から身を守るための教訓を込めて、その場所の土地の成り立ち、地盤の強度、被災の経験などを文字に託し、つけられたものが多い。河合・福和・護・飛田(2009)※はそうした地名の付け方と実際の地震ハザードとの関係を、バス停名称をもとにして明らかにした。
今回は、農林業センサスの調査単位に用いられる「農業集落名」のカバー率と、高度成長期以前の旧来地名を継承していることに着目し、機械学習の分類機能を用いて、地名からその集落の地盤の硬軟を推定する。
GIS主題図で分かったこと
使用したデータ≪提供元≫
・地理院地図≪国土地理院≫
・農業集落データ≪総務省「e-stat」≫
・数値地図25000(土地条件)≪国土地理院≫(販売データ)
・液状化被害箇所データ≪千葉県香取市HP≫
・ 愛知県東海地震・東南海地震・南海地震等被害予測調査データ≪愛知県≫(非公開データ)
【※参考文献】
河合真梨子、福和伸夫、護 雅史、飛田 潤:地震ハザードの説明力向上のための地名活用に関する研究 : 地形に由来する分類方法の提案と活用可能性の検討、日本建築学会構造系論文集 74(636)、2009年、pp.409-416.
巨大地震が発生した場合、二次災害として大規模な火災が発生することが、関東大震災、阪神・淡路大震災の経験からわかっている。
こうした火災が交通路の沿線で発生すれば、その影響によって、長期の運休、通行不可を強いられる可能性がある。
今回、愛知県内の主要な鉄道沿線の影響を確認するため、沿線周囲300m以内の「建物密度」と「木造二階建て家屋割合」の二つの指標を可視化し、大規模火災発生の危険性が高いエリアを抽出した。
GIS主題図で分かったこと
使用したデータ≪提供元≫
・国土数値情報≪国土交通省≫
・南海トラフ巨大地震被害想定データ≪内閣府 南海トラフの巨大地震モデル検討会≫
・愛知県オープンデータカタログデータ≪愛知県≫
・地理院地図≪国土地理院≫
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