【物体検出】オンプレミス環境で独自モデルを最速生成「てんかく忍者モデル工房」機能紹介 vol.26
前々回の"データセットの著作権、データベースの著作権、AIモデルのライセンスについてのざっくりしたまとめ"で、近年のデータセットやAIを巡る知財状況の動向を確認し、ライセンス汚染の問題が中長期的なリスクになりえることに触れ、
前回の"【物体検出】オンプレミス環境で独自モデルを最速生成「てんかく忍者モデル工房」概要紹介 vol.25"で、企業が自社アセットの管理にAIを使う場合に継続性やコストメリット、法務リスクを回避する必要があり、その弊社からの提案として"てんかく忍者モデル工房"を挙げました。
今回は、"てんかく忍者モデル工房"がどのような機能を持っていて、最終的に"独自データ、独自モデルの高速リリース"を可能にするのかをご紹介します。
AIモデル制作環境の近況
クラウドサービスとして、アノテーション作成、モデル学習、評価まで一貫して行う方法がある一方で、長らくOpenSourceとして提供されてきたアノテーションソフトウェアである"labelImg"はLabelStudioに吸収されました。
LabelStudioはダウンロードすることができ、オンプレミスで複数人によるアノテーションデータ作成ができるソフトウェアとなっています。過去に公表している評価の記事はこちら
以下に代表的なクラウドサービスを列挙します(2026/09/02現在)。
無償でトライアルまたはパブリックなプロジェクトとしての利用ができ、数人からのクローズプロジェクトのライセンスと、さらに本格的に活用する場合のエンタープライズライセンスに分かれています。
無償トライアルでの利用は、データセットの公開やモデルの公開などの許諾がある場合があるので、十分に気を付けてください。
サービスの内容や価格等が変更になっている可能性がありますので、最新の情報は、必ずリンク先を確認ください。
ultralytics
| URL | |
| 費用 | 無償or$29/月or問い合わせ |
| 内容 | クラウドストレージ:100,500GB、,無制限 モデル:100,500,無制限 UP上限:10,20,50GB GPU:H200,B200 |
roboflow
| URL | |
| 費用 | 無償or$79/月or問い合わせ、1ユーザ追加:$29/月 |
| 内容 | プライベートデータ、モデル 学習、分析 モデル評価 データ増量 モデルダウンロード |
labelStudio
| URL | |
| 費用 | 無償or$99/月or問い合わせ |
| 内容 | オンラインアノテーションツール ロールベースのアクセス制御 品質レビューワークフロー オートメーション |
てんかく忍者モデルで何を目指すのか
ローカル動作で超高速なアノテーション
OpenSourceでローカル動作する"labelImg(Python版)"を使用
データ集めの自動化
動画から切り出した静止画を、指定した割合で、全路線から均等に抽出(統計的偏りの排除)
適宜クラスを追加
実際のデータを見ながら適宜クラスを追加しながら作業できる(最大50クラスのスロットを固定)
classes.txtの混在によるIDずれの事故を防ぐ。
希少データの水増し、アノテーション自動化
digプログラムで希少データのクラスを増強し、再学習の素材へ
GPUをフル活用
学習、検証の速度を上げることで仮説検証ループを高速に回す
GPUメモリやGPU負荷状況をサンプリングして最適値を自動設定
または手動調整することで、検出と学習を同一マシン上で実行する際の負荷調整にも対応。
てんかく忍者モデルは、何を回避し、何を得たいのか
性能追及の手段を手放さない
学習や検出の見えないボトルネックであるDB書き込みやファイルアクセスの問題をローカル環境で解消。
NASのエコシステムが最良(継続コストなし、永続、自律、最速)、ローカルGPUコンピューティングの活用。
クラウドサービスの便利、手軽の誘惑に負けない
Ultralytics、LabelStudioのモデル生成、評価サービスに依存しない(容量課金、ライセンス囲い込み)
特に機密データの扱いや、データセット、モデル利用権をクラウドサービス事業者に渡さない。
データ処理の手法を最適化する
時系列データの優位性を維持、フォルダ構成、ファイル名規則、アクセス権限
他のpythonプログラムとの連携動作、パイプライン統合の手段を確保(特にyamlを使った疎連携や自動化への対応)
TCOにこだわる(キャッシュアウトを常に意識する)
OpenSoureceを使うことでコスト、透明性、配布性、知識共有を得る
将来に渡るブラッシュアップ、継続性を担保する
データ追加によるモデルのブラッシュアップ
学習済ウェイトを使った転移学習
バックボーンが変更されてもアノテーションデータの継続利用が可能であること(情報資産化)
得られた効果:3日で1イテレーション
| モデル | Stage | 内容 | CPUの場合 | GPUの場合 |
| 初期モデル |
収集 | 動画→静止画切り出し(100FPS) train/validを均一に収集 |
30分 | 30分 |
| 作成 | labelImgでアノテーション付け(ローカル作業で即応) クラスの任意追加 |
3時間 | 3時間 | |
| 学習 | 小さいモデルで学習、評価を実行 希少データクラス=補強対象の選定 |
1時間30分 | 10分 | |
| 補強 | digプログラムで検出&補強データ収集(32FPS) train/valに分割 |
2時間 | 2時間 | |
|
標準モデル |
再学習 | 追加分のアノテーション作成 標準モデルで学習、評価を実行 |
6時間半 | 30分 |
| 検出 | 標準モデルで検出を実行 評価を実行 |
5時間 | 1時間 |
手法
- 動画から静止画の生成&均一に抽出(Collector)
- labelImgによるアノテーション付与
- クラス定義の1スロット50クラス化
- GPU性能の自動調整
- 希少データの水増し、自動アノテーション(dig)
てんかく忍者モデル工房の画面と機能
クラス/環境
|
ここでやっていること バックエンドごとのpython実行環境の指定と、クラス定義の指定をしています。 |
Dataset作成
|
ここでやっていること 素材種別として動画かCubeMap化された静止画を選択できます。 |
LabelImg起動
|
ここでやっていること labelImgを起動する際のPython環境を指定します。 |
TRAIN学習
|
ここでやっていること 学習の設定を行います。 |
DIG抽出
|
ここでやっていること 指定したバックボーン、モデルで検出を実行し、希少クラスまたは全クラスのアノテーション付き検出結果を書き出します。(このことをDIG=掘ると呼んでいます) |
補助ツール
|
ここでやっていること 学習や検出を実行している最中のGPU利用率をモニタリングするために、nvidia-smiやnvitopをサブプロセス(別窓で起動)実行します。 |
▼この記事を書いたひと

R&Dセンター 松井 良行
R&Dセンター 技術戦略担当部長。コンピュータと共に35年。そしてこれからも!
機械学習・AIの最新記事
- 【ゼロトラスト】ローカルLLMの活用術~ollama、aider、continue
- 【物体検出】オンプレミス環境で独自モデルを最速生成「てんかく忍者モデル工房」機能紹介 vol.26
- 【物体検出】オンプレミス環境で独自モデルを最速生成「てんかく忍者モデル工房」概要紹介 vol.25
- データセットの著作権、データベースの著作権、AIモデルのライセンスについてのざっくりしたまとめ






