オープンイノベーション【オープンイノベーション】vol.25:カメラアプリ「FilmicPro」によるiPhone15Pro撮影

【オープンイノベーション】vol.25:カメラアプリ「FilmicPro」によるiPhone15Pro撮影

てんかく忍者のサービスは、まずは動画を撮影するところから始まりますが、これまで撮影ツールにスマホは採用してきませんでした。

てんかく忍者の撮影は、道路や鉄道軌道上を高速移動しながら行うことが多く、スマホの標準カメラアプリで撮影すると移動速度にシャッタースピードが追いつかず、特に4K撮影時に被写体がぶれてしまうことが課題のためです。

(写真:iphone標準アプリ)
iPhone標準カメラアプリによる撮影(被写体がぶれる)

vol.24_1.jpg

今回、スマホでシャッタースピードを指定できるカメラアプリ「FilmicPro」を検証したのでご紹介します。

 

 

FilmicProによる構造物撮影の検証

■カメラアプリ「FilmicPro」

 


 アプリ名:FilmicProV7
 適用:iPhone、android

「FilmicPro」の詳細ページはこちら。https://www.filmicpro.com/

「FilmicPro」は撮影に関する様々な設定項目がありますが、今回の検証で設定したメインの項目は下記となります。

「シャッタースピードとISO」の設定

 

vol.24_2.jpg
 被写体のぶれを抑えるのに重要な要素です。

「HDRとデータ形式」の設定
 品質とファイルサイズの関連を調査しました。

vol.24_3.jpg

 

 

■GNSS-BeatBoxからの音声信号入力

 

てんかく忍者で採用するカメラは「3.5mmステレオミニジャックによるマイク入力」により、GNSS-BeatBoxから出力される音声信号を入力しますが、iPhone15Proの入出力端子はUSBTypeCのみです。

GNSS-BeatBoxからの音声信号を入力するのに、「USB-C3.5mmイヤホンジャック変換コネクタ」が必要となります。
(写真:USBCコネクタ)

vol.24_4.jpg

 

 

■撮影風景

 

撮影車両左側のガラスに設置しました。縦方向で撮影し、ケーブルの関係で上下逆としています。
Magsafe型充電器で、給電しながら撮影できます。
(写真:撮影風景)

vol.24_5.jpg

撮影は、名古屋市内の高速道路(名古屋高速、伊勢湾岸自動車道)で行いました。

 

 

■撮影設定

iPhone15Pro・・・シャッタースピードとISOを固定し、高速移動の影響なく被写体がぶれないよう撮影した


SONY FDR-AX700・・・シャッタースピードと絞りを固定し、ISOはオートとした(カメラの最適な感度で撮影)

 

■画質とデータ容量

 

「FilmicPro」の画質と動画サイズです。カメラアプリ標準画質(アップルスタンダード)以上で比較しました。
画質は、高い順に「Filmic Extreme > Filmic Quality > アップルスタンダード」です。
(表:vol.24_6_保存形式と動画時間.jpg)
※撮影条件(対象・明るさなど)で動画の容量は異なります。撮影可能な動画時間は目安としてください。

vol.24_6.jpg

※どのモードでも撮影された動画はmov形式になります。

(GV-Syncではmov形式は未対応なのでmp4へのコンバートが必要です)

撮影番号ごとの画像例を提示します。

 

 

撮影番号①保存形式:Filmic Extream(DOLBY HDR)

vol.24_7.jpg

撮影番号②保存形式:Filmic Quality(DOLBY HDR)
(写真:vol.24_8_②.jpg)

vol.24_8.jpg

 

撮影番号③保存形式:アップルスタンダード(DOLBY HDR)
(写真:vol.24_9_③.jpg)

vol.24_9.jpg

■画像比較(SONY FDR-AX700との比較)

上がiPhone15Pro、下がSONY FDR-AX700です。どちらも動画から切り出した静止画となります。

 

撮影番号①保存形式:Filmic Extream(DOLBY HDR)
上:iPhone 下:AX700

vol.24_10.jpg
vol.24_11.jpg

 

撮影番号②保存形式:Filmic Quality(DOLBY HDR)
上:iPhone 下:AX700

vol.24_12.jpg
vol.24_13.jpg

 

撮影番号③保存形式:アップルスタンダード(DOLBY HDR)
上:iPhone 下:AX700

vol.24_14.jpg
vol.24_15.jpg

■留意点

iPhone+FilmicProをてんかく忍者サービスと共に使う場合の留意点。

  • 音声変換(音声→USB-C)ケーブルまたはUSB-Cに対応したDACを別途準備する必要がある
  • 空き容量に注意(SDメディアなどの交換で連続撮影できない)
  • 動画の保存形式がmovであるためmp4への変換が必要

 

■結論

 

「iPhone15Pro」+「FilmicPro」で、被写体のぶれなく撮影できることがわかりました。画質については4Kビデオカメラと遜色なく美麗です。スマートフォンは軽くて取り回ししやすく、またmagsafe型充電器で給電しながら撮影できます。熱の問題もありませんでした。  iPhoneの空き容量が200GBあれば、画質「Filmic Quality」で6時間程度撮影できるので(撮影条件によりますが)、てんかく忍者で使用するカメラ候補として有力な選択肢になりえます。

 

 

▼この記事を書いたひと

R&Dセンター 渡邉 裕樹

位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。

 

お問い合わせ

ご意見・ご質問などお気軽にお問い合わせ下さい。
ナカシャクリエイテブ株式会社

●富士見事務所 TEL : 052-228-8744(交通部営業課) FAX : 052-323-3337(交通部共通)
〒460-0014 愛知県名古屋市中区富士見町13−22 ファミール富士見711  地図

PoCのお問い合わせ:交通部営業課
技術的なお問い合わせ:R&Dセンター

Email:メールでのお問い合わせ