本プロジェクトでは、正確な位置情報を求めて、2周波RTKのGNSSセンサーを採用しました。
GNSSメーカーが提示するスペックによると、(測位時にセンサーを三脚固定した場合で)2周波RTKで2cmの精度が得られるなどと記載があります。
果たしてこれは本当でしょうか?
本当ならば、どのような条件下で?
測位精度が得られない条件とは?
・・・それでは体験的みちびきRTKレポート開始!
2周波マルチGNSS受信
cm精度(RTK)
2周波マルチGNSS受信
cm精度(RTK)
1周波みちびき対応
数m
基準点に固定局を設置
基準点と測定地点の位置関係
測定結果:地点1 1m程度の誤差
測定結果:地点2 5cm精度
車の上にアンテナをセット
2台のRTK受信機で同じ軌跡(アンテナ間の距離は数センチ)
走行中の軌跡
環状線を3回周回した軌跡
RTK測位はFIXすれば高い精度を期待できるが、衛星との仰角や電波強度などGNSS受信環境やWi-Fiとの接続環境によっては十分に精度が出ない場合がある。
RTKに限らず、GNSSの受信感度が悪くなるケースを下記にまとめた。
RTKであってもビル群は苦手のようだ。
Wi-Fiが不感となり、一時的にネットワークRTKが効かなくなった場合にも位置がずれる。
車や列車が停車している間は、位置が不正確。
トンネルや地下などの電波不感地帯からの復帰直後も位置が大きくずれる。(緩やかにずれて、やがて戻る)
衛星受信時に、GNSS受信機が出力する情報として、FIXに関する情報や衛星個数などの情報がある
当社で開発したGNSS-BeatBox®では、RTK-FIX、DGPS-FIXなどの受信機のFIXに関する情報や、衛星個数やDOP値などの受信精度情報をGPX1.1のログの中で定義し、記録している。
GNSS-BeatBox®に記録される受信情報の例
・RTK-FIXの状態
<nsc:gps>
<nsc:message></nsc:message>
<nsc:sat>33</nsc:sat>
<nsc:fix>rtk fix</nsc:fix>←通常はrtk-fix
<nsc:hdop>0.57</nsc:hdop>
<nsc:vdop>1.01</nsc:vdop>
<nsc:pdop>1.16</nsc:pdop>
</nsc:gps>
・RTK-FIXしていない状態
<nsc:gps>
<nsc:message></nsc:message>
<nsc:sat>28</nsc:sat>
<nsc:fix>dgps fix</nsc:fix>←RTK-FIXしていない
<nsc:hdop>0.66<<nsc:hdop>
<nsc:vdop>1.03</nsc:vdop>
<nsc:pdop>1.22</nsc:pdop>
</nsc:gps>
GNSS-BeatBox®が記録したGPX1.1の情報を、余さずすべてデータベースに登録する、登録ツール"GV-Sync®"で後にデータベースメンテナンスツールや、検索システム上で精度の悪いデータを落とす手段を持たせることとする。
▼この記事を書いたひと
R&Dセンター 渡邉 裕樹
位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。
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