南阿蘇鉄道様の画像データを4D-dbに登録しました。登録したのは列車内から撮影した4方向「正面・右・左・下(レール・枕木正規化画像)」の画像データとなります。
画面に映っている4D-dbは、今回のために特別にカスタマイズしたものになりますので、ここで記載している機能をお望みのお客様は、個別対応にてカスタマイズを実施します。「KMLオーバーレイカスタマイズを希望する」旨を導入前にお伝えください。
※オンプレミス構成に近いセキュアなネットワーク上でのご利用を想定するため、てんかく忍者クラウドサービスの標準版に搭載することは、現時点で考慮されていません。
(4D-db:地図画面)
(4D-db:マルチビューア「4方向画像」)
(レール・枕木画像:遊間検出結果)
4D-dbは、現状下記のシンボル構成となっており、地図上に展開されたポイントのどれが遊間なのか区別がつきません。
・地点シンボル
そこで、遊間の位置が一目でわかるよう、遊間の検出結果ごとに色分けしたポリゴン図形を地図レイヤとして重ねました。
重ねる地図レイヤの形式は、kml形式です。GISソフトなどで作成したkml形式の図形を、4D-dbに重ねることができます。ポリゴン図形のシンボルは、遊間クラスによって下記のように設定しました。
(遊間ポリゴン重ね合わせ前)
(遊間ポリゴン重ね合わせ後)
これにより、どこにどの種別の遊間が存在するのか、容易に判別できるようになりました。
4D-dbは、背景地図を国土地理院の標準地図または航空写真に切り替えることができます。
地図を拡大して表示する場合、地形や建物の詳細がわかるので、航空写真を背景とするケースが多いですが、航空写真だけだと自分が見ているのがどの地点か把握できないことがあります。
(国土地理院:航空写真背景)
そこで、見ている地点がわかるようキロ程を表示できるようにしました。キロ程表記もポリゴン図形と同じように、kmlファイルを4D-dbの地図レイヤとして重ねたものです。
・キロ程ラベル表記
南阿蘇鉄道管理機構様に、普段から地点を特定するのにキロ程を使われているか確認したところ、キロ程ではなく、継目番号で管理されているとのことでした。
※継目番号とは、レール継目に付与された番号のこと。遊間検出画像にて、番号がペイントされた枕木を確認できます。
・継目番号
今回の例では、物体検出の結果をGISのポリゴン図形として可視化したり、既に持っているGISのオブジェクト(ここではキロ程標)を地図上の目印として追加することで、現場確認を容易にする方法をご紹介しました。
目で見えるもの、機械が判別したもの、目には見えないものを同じ空間上で確認でき、写真と整合させ、更には点検時、予察時のコメントを相互に参照することで、設備や保守に係る情報の一元管理が出来、"より迅速・的確に現場の変化に気づくための仕組み"としてブラッシュアップしていきたいと考えています。
今後、南阿蘇鉄道管理機構様にご協力いただきながら、遊間検出結果と継目番号の組合せが保線管理にどのような効果をもたらすのか、取り組んでいきたいと思います。
▼この記事を書いたひと
R&Dセンター 渡邉 裕樹
位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。
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