オープンイノベーション【オープンイノベーション】vol.23:Panasonic ミラーレス一眼カメラ「DC-BGH1」での撮影を検証

【オープンイノベーション】vol.23:Panasonic ミラーレス一眼カメラ「DC-BGH1」での撮影を検証

てんかく忍者の4Kビデオカメラは、「SONY FDR-AX700」をメイン機としています。

「SONY FDR-AX700」は、「F値」「ISO値」「シャッタースピード」を任意の値に設定でき、「GNSS-BeatBox」が発呼する音声信号を動画に記録するのに必要な「3.5mmステレオミニジャックによるマイク入力」を備えたビデオカメラです。

ただ、「SONY FDR-AX700」はソニーストアでの販売を終了しており、「SONY FDR-AX700」の後継機候補として「Panasonic DC-BGH1」を検証しましたので紹介します。

 

■「SONY FDR-AX700」と「Panasonic DC-BGH1」のスペック比較

まずは「SONY FDR-AX700」と「Panasonic DC-BGH1」のスペック比較です。

 

カメラ機種⇒ SONY HDR AX-700 Panasonic LUMIX DC-BGH1
評価項目↓
レンズ交換方式 なし(本体一体) マイクロフォーサーズ
シャッター方式 ローリングシャッター ローリングシャッター
F値 F2.8-4.5 レンズ交換式
センサーサイズ 1.0型 Exmor RS CMOSセンサー 4/3型Live MOS センサー
メモリー SD2枚 SD2枚
レコーダ機能 内蔵SD 内蔵SD/外部レコーダ
撮影モード:解像度 4K、2K 4K、2K
撮影モード:FPS 30fps(4K撮影時最大) 60fps
ISO設定上限・下限 250-12800 80-204800
シャッタースピード 1/6-1/10000 1/2-1/10000
3.5mmマイク入力 OK(本体) OK(本体/外部レコーダ―)
FPS可変対応 対応 対応
動画HDR 対応 対応
オートフォーカス あり あり
液晶モニター 3.5型 なし/外部モニター・スマホ他
バッテリー持続時間※1 8時間以上 8時間以上
バッテリー交換(装着) 装着 装着
録画持続時間(4K30fps)※2 8時間以上 8時間以上
複数台同期 なし(TCでリンク) PCから制御可能
給電撮影 可能 LANから給電可能
接続方式(伝送) USB USB、LAN、SDI、HDMI
PCからの設定 なし USB、LAN
撮影条件のプロファイル化 あり あり
暗所撮影 ガンマで調整 ガンマで調整
ZOOM撮影 可能 可能
高速移動撮影 良好 良好
手ぶれ補正機能 あり あり
低照度高感度撮影 デュアルネイティブ ISOテクノロジー
     
外形サイズ 121×104×274.5mm 93×93×78.0mm(本体のみ)
重量(バッテリー込み) 935g 545g(本体のみ)
防水/防塵 なし なし
     
メーカー/国 日本 日本
販売店 SONYストアなど Panasonic storeなど
価格※3 20万円程度(メーカー販売終了) 25万円程度(販売中)

※1:撮影条件により変動あり

※2:SDカード256GB*2枚

※3:2024/1/13現在

 

「SONY FDR-AX700」は、レンズ・液晶モニターが本体と一体になっているのに対し、「Panasonic DC-BGH1」は、レンズは交換式で本体に液晶がなく、SDI(HDMI)モニターを別途用意する必要があります。

 

今回の検証に、「Panasonic DC-BGH1」に使用したレンズとモニターです。
レンズ:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0
モニター:ATOMOS SHOGUN7

※「SONY FDR-AX700」の詳細スペックはこちら
※「Panasonic DC-BGH1」の詳細スペックはこちら
 

 

■DC-BGH1採用レンズ


「SONY FDR-AX700」と映像比較するにあたり、てんかく忍者の撮影は被写体までの距離が近いケースが多く、「Panasonic DC-BGH1」には下記の広角レンズを使用しています。

レンズ:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0

 

■映像比較(三脚固定)

三脚に固定したカメラで動画を撮影し、動画から切り出した静止画を比較します。

VOL23_2.JPEG

左:DC-BGH1 右:AX-700

明るさの異なる各条件(「明るい場所」「暗めの場所」「暗い場所」)で、シャッタースピードとF値を固定してISO値を変更した場合の画像を比較しました。

注目したのは「ノイズ・白飛び・黒つぶれ」です。

明るい場所:日なた Fig3.pdf

Fid3-1.jpg
Fig3-2.jpg
Fig3-3.jpg

暗めの場所:日影  Fig4.pdf

Fig4-1.jpg
Fig4-2.jpg
Fig4-3.jpg

 

「明るい場所」「暗い場所」の画像を比較すると、「SONY FDR-AX700」「Panasonic DC-BGH1」
どちらも綺麗に撮れています。

好みにもよりますが、どちらかというと「Panasonic DC-BGH1」の方が色味がはっきりしています。
ただ、適正露出でない設定(ISOの値が極端に小さい値:250や大きい値:12800)だと、黒つぶれや白飛びが目立ちますので、「Panasonic DC-BGH1」の方が設定がシビアかもしれません。

暗い場所:建物の半地下  Fig5.pdf

Fid5-1.jpg
Fig5-2.jpg

暗い場所では、「Panasonic DC-BGH1」の低照度高感度技術に着目します。

デュアルネイティブISOテクノロジーに関するメーカーホームページ
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/bgh1/performance.html#sensor_engine

低照度高感度技術とは、ISO2000あたりでベース感度が切り替わり低ノイズ・高ISO回路を使用する技術で、今回の検証でも「暗い02」「暗い03」にて、低照度高感度撮影を持たない「SONY FDR-AX700」と比較して「Panasonic DC-BGH1」の低照度高感度技術「デュアルネイティブISOテクノロジー」により、高感度時のノイズが抑制されていることが確認できました。

「暗い場所」では、「Panasonic DC-BGH1」の方が鮮明な映像を撮影できます。

 

■映像比較(車両移動)

 

 撮影車両左側のガラスに車内から吸盤マウントでカメラを固定し、動画を撮影しました。
 どちらのカメラにも、ガラスの映り込みを防ぐためシリコンレンズフードを使用しています。

VOL23_6.JPEG

 左:DC-BGH1 右:FDR-AX700

 

・撮影ルート

 

VOL23_7.JPEG

 名古屋高速(春岡IC)~名二幹(名古屋南JCT)のトンネル区間を走行しながら撮影しました。

 自立航法GPSセンサーPT-G1で、衛星電波が届かないトンネル内でも走行軌跡を取得しています。

 自立航法についての詳細は、下記を参照してください。
【オープンイノベーション】vol.6:自律航法GPSを使った業務用カーナビ
https://www.nakasha.co.jp/future/open-innovation-meeting/openinnovation_vol6_Dead_Reckoning_GPS.html

 

・撮影設定

 


 どちらのカメラも同じ設定値としています。

解像度 4K
FPS  30
シャッタースピード 2000
ISO  AUTO

 

・画像比較

 左が「FDR-AX700」、右が「DC-BGH1」です。どちらも動画から切り出した静止画となります。

名古屋高速
 設定した値が同じで、同じような画質となった。

左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」

VOL23_8.jpg VOL23_9.jpg


トンネル
 トンネル内は真っ暗で、どちらも何も写らない。

左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」

VOL23_10.jpg VOL23_11.jpg

トンネル内看板
 トンネル内の看板は「デュアルネイティブISOテクノロジー」効果により文字まで読める。

左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」

VOL23_12.jpg VOL25_13.jpg

 

■結論

 

 「DC-BGH1」は、「FDR-AX700」と同じようなきれいな映像が撮影できること、また暗い場所では「デュアルネイティブISOテクノロジー」により
 「FDR-AX700」と比較してノイズを抑制した鮮明な映像が残せることを確認できました。

 

 

▼この記事を書いたひと

R&Dセンター 渡邉 裕樹

位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。

 

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