てんかく忍者の4Kビデオカメラは、「SONY FDR-AX700」をメイン機としています。
「SONY FDR-AX700」は、「F値」「ISO値」「シャッタースピード」を任意の値に設定でき、「GNSS-BeatBox」が発呼する音声信号を動画に記録するのに必要な「3.5mmステレオミニジャックによるマイク入力」を備えたビデオカメラです。
ただ、「SONY FDR-AX700」はソニーストアでの販売を終了しており、「SONY FDR-AX700」の後継機候補として「Panasonic DC-BGH1」を検証しましたので紹介します。
まずは「SONY FDR-AX700」と「Panasonic DC-BGH1」のスペック比較です。
カメラ機種⇒ | SONY HDR AX-700 | Panasonic LUMIX DC-BGH1 |
評価項目↓ | ||
レンズ交換方式 | なし(本体一体) | マイクロフォーサーズ |
シャッター方式 | ローリングシャッター | ローリングシャッター |
F値 | F2.8-4.5 | レンズ交換式 |
センサーサイズ | 1.0型 Exmor RS CMOSセンサー | 4/3型Live MOS センサー |
メモリー | SD2枚 | SD2枚 |
レコーダ機能 | 内蔵SD | 内蔵SD/外部レコーダ |
撮影モード:解像度 | 4K、2K | 4K、2K |
撮影モード:FPS | 30fps(4K撮影時最大) | 60fps |
ISO設定上限・下限 | 250-12800 | 80-204800 |
シャッタースピード | 1/6-1/10000 | 1/2-1/10000 |
3.5mmマイク入力 | OK(本体) | OK(本体/外部レコーダ―) |
FPS可変対応 | 対応 | 対応 |
動画HDR | 対応 | 対応 |
オートフォーカス | あり | あり |
液晶モニター | 3.5型 | なし/外部モニター・スマホ他 |
バッテリー持続時間※1 | 8時間以上 | 8時間以上 |
バッテリー交換(装着) | 装着 | 装着 |
録画持続時間(4K30fps)※2 | 8時間以上 | 8時間以上 |
複数台同期 | なし(TCでリンク) | PCから制御可能 |
給電撮影 | 可能 | LANから給電可能 |
接続方式(伝送) | USB | USB、LAN、SDI、HDMI |
PCからの設定 | なし | USB、LAN |
撮影条件のプロファイル化 | あり | あり |
暗所撮影 | ガンマで調整 | ガンマで調整 |
ZOOM撮影 | 可能 | 可能 |
高速移動撮影 | 良好 | 良好 |
手ぶれ補正機能 | あり | あり |
低照度高感度撮影 | ー | デュアルネイティブ ISOテクノロジー |
外形サイズ | 121×104×274.5mm | 93×93×78.0mm(本体のみ) |
重量(バッテリー込み) | 935g | 545g(本体のみ) |
防水/防塵 | なし | なし |
メーカー/国 | 日本 | 日本 |
販売店 | SONYストアなど | Panasonic storeなど |
価格※3 | 20万円程度(メーカー販売終了) | 25万円程度(販売中) |
※1:撮影条件により変動あり
※2:SDカード256GB*2枚
※3:2024/1/13現在
「SONY FDR-AX700」は、レンズ・液晶モニターが本体と一体になっているのに対し、「Panasonic DC-BGH1」は、レンズは交換式で本体に液晶がなく、SDI(HDMI)モニターを別途用意する必要があります。
今回の検証に、「Panasonic DC-BGH1」に使用したレンズとモニターです。
レンズ:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0
モニター:ATOMOS SHOGUN7
※「SONY FDR-AX700」の詳細スペックはこちら
※「Panasonic DC-BGH1」の詳細スペックはこちら
「SONY FDR-AX700」と映像比較するにあたり、てんかく忍者の撮影は被写体までの距離が近いケースが多く、「Panasonic DC-BGH1」には下記の広角レンズを使用しています。
レンズ:LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm/F2.8-4.0
三脚に固定したカメラで動画を撮影し、動画から切り出した静止画を比較します。
左:DC-BGH1 右:AX-700
明るさの異なる各条件(「明るい場所」「暗めの場所」「暗い場所」)で、シャッタースピードとF値を固定してISO値を変更した場合の画像を比較しました。
注目したのは「ノイズ・白飛び・黒つぶれ」です。
明るい場所:日なた Fig3.pdf
暗めの場所:日影 Fig4.pdf
「明るい場所」「暗い場所」の画像を比較すると、「SONY FDR-AX700」「Panasonic DC-BGH1」
どちらも綺麗に撮れています。
好みにもよりますが、どちらかというと「Panasonic DC-BGH1」の方が色味がはっきりしています。
ただ、適正露出でない設定(ISOの値が極端に小さい値:250や大きい値:12800)だと、黒つぶれや白飛びが目立ちますので、「Panasonic DC-BGH1」の方が設定がシビアかもしれません。
暗い場所:建物の半地下 Fig5.pdf
暗い場所では、「Panasonic DC-BGH1」の低照度高感度技術に着目します。
デュアルネイティブISOテクノロジーに関するメーカーホームページ
https://panasonic.jp/dc/products/g_series/bgh1/performance.html#sensor_engine
低照度高感度技術とは、ISO2000あたりでベース感度が切り替わり低ノイズ・高ISO回路を使用する技術で、今回の検証でも「暗い02」「暗い03」にて、低照度高感度撮影を持たない「SONY FDR-AX700」と比較して「Panasonic DC-BGH1」の低照度高感度技術「デュアルネイティブISOテクノロジー」により、高感度時のノイズが抑制されていることが確認できました。
「暗い場所」では、「Panasonic DC-BGH1」の方が鮮明な映像を撮影できます。
撮影車両左側のガラスに車内から吸盤マウントでカメラを固定し、動画を撮影しました。
どちらのカメラにも、ガラスの映り込みを防ぐためシリコンレンズフードを使用しています。
左:DC-BGH1 右:FDR-AX700
名古屋高速(春岡IC)~名二幹(名古屋南JCT)のトンネル区間を走行しながら撮影しました。
自立航法GPSセンサーPT-G1で、衛星電波が届かないトンネル内でも走行軌跡を取得しています。
自立航法についての詳細は、下記を参照してください。
【オープンイノベーション】vol.6:自律航法GPSを使った業務用カーナビ
https://www.nakasha.co.jp/future/open-innovation-meeting/openinnovation_vol6_Dead_Reckoning_GPS.html
どちらのカメラも同じ設定値としています。
解像度 | 4K |
FPS | 30 |
シャッタースピード | 2000 |
ISO | AUTO |
左が「FDR-AX700」、右が「DC-BGH1」です。どちらも動画から切り出した静止画となります。
名古屋高速
設定した値が同じで、同じような画質となった。
左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」
トンネル
トンネル内は真っ暗で、どちらも何も写らない。
左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」
トンネル内看板
トンネル内の看板は「デュアルネイティブISOテクノロジー」効果により文字まで読める。
左:「FDR-AX700」、右:「DC-BGH1」
▼この記事を書いたひと
R&Dセンター 渡邉 裕樹
位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。
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