オープンイノベーション【オープンイノベーション】vol.35:8K360カメラ「Insta360 X4」レビュー(Titan、PilotOneとの比較検証)

【オープンイノベーション】vol.35:8K360カメラ「Insta360 X4」レビュー(Titan、PilotOneとの比較検証)

Insta360から、8K-360アクションカメラ"X4"が発売されました。

従来、当社では11K画質のTitan、8K画質のPro2を撮影に活用してきましたが、重量があるので、専用の撮影架台や大容量の電源の確保が必要でした。

「もっと簡易的にスマホ感覚で高画質を得たい」という現場のニーズを満たすべく、今回は、この新しいカメラを使って構造物を撮ってみたいと思います。

 

■てんかく忍者の360カメラ

てんかく忍者では、2025年1月現在、用途に応じてスペックの異なる以下の2つの360カメラを使い分けています


Insta360 Titan:
業界トップクラスの11K解像度を誇り、圧倒的に鮮明な360映像を実現。高精細な映像が求められるプロフェッショナルなシーンに最適な360カメラ

Labpano PilotOne:
スティッチ不要のシンプルな操作で、手軽に8Kの360動画撮影が可能。迅速で手間のかからない撮影が必要な場面に適した360カメラ

今回、Insta360社の8K360カメラ「Insta360 X4」を購入し、てんかく忍者に活用可能か検証したのでご報告します。

 

■Insta360 X4の特徴


 てんかく忍者活用時のInsta360 X4の特徴をまとめました。メリットとデメリットです。


・メリット

  • 扱いやすい:軽い
  • プレミアムレンズ保護ケース(オプション)で、多少木が繁った場所でも大丈夫
  • 簡単操作:スマホアプリの撮影ボタンクリックで撮影開始・終了処理OK
  • Wi-Fi接続良好で、遠隔操作のストレスなし
  • 後加工不要:スティッチ不要
  • 高解像度:8K品質

 

・デメリット

  • 保存形式は、insv形式(独自フォーマット)

無料の編集ソフト「Insta360 studio」により、てんかく忍者(GV-Sync)の対応形式「mp4」に変換可能

  • 給電しながらの撮影不可(type-c端子を音声ケーブル用に使用)

長時間の撮影は、バッテリー交換にて対応

 

■「Insta360 Titan」「LabPano PilotOne」とのスペック比較


 「Insta360 X4」と「Insta360 Titan」「LabPano PilotOne」のスペック比較です。

  プロ向け 一般向け プロ向け
製品名 Insta360 Titan Insta360 X4 Labpano Pilot One
メーカー/国 Insta360 / 中国 Insta360 / 中国 Labpano / 中国
販売店 ハコスコ insta360 リビングCG
価格 1,880,000円 79,800円(税込) 236,500(税込)
レンズの数 8 2 4
解像度(静止画) 10560 x 5280 (Max) 約72MP (11904x5952) 8K(8192 × 4096)
解像度(動画) 10560 x 5280 @30fps (Max) 8K(7680x3840)@29.97fps 8K (7680 × 3840) @24fps
ストリーミング画質 4K 2D / 3D @30fps 360度ライブ配信 8K @24fps
4K @30fps
ライブ配信プロトコル rtsp、rtmp、hls 表記なし RTMP/RTSP/SRT
音声 4x Mono Mic、マイク入力あり 3.5mmマイクアダプターあり(別売り) 3.5mmマイク入力あり
GPS / ジャイロ あり / 9 軸センサー スマートフォン接続による位置情報取得可 / 6軸ジャイロスコープ Built-in GPS / 9軸ジャイロスコープ
スタビライザ FlowState™ 手ブレ補正 FlowState™ 手ブレ補正 あり
Wi-Fi 802.11 b/g/n, 2.4GHz. 2.4G/5G 2.4G/5G
ストレージ SD9枚 microSD最大1TBまで 512GB(内蔵)
動作環境温度 0℃ ~ 40℃ -20℃ ~ 40℃ 記載なし
バッテリー(内蔵/交換) 交換可:撮影中の電源供給可 交換可:マイクアダプターで使用するため撮影中の電源供給不可 内蔵:撮影中の電源供給可
撮影可能時間 70分 8K@30fps 75 分 2時間
スティッチ 専用ソフトウェアあり オートスティッチ: 8K@29.97fps
           5.7K@29.9fps(HDR)
オートスティッチ
8K (7680 × 3840) @7fps
防水/防塵 - 防水10mまで可。水中ハウジングケースあり(別売り) IP65
サイズ/重量 直径228mm / 5.5kg 46mm×123.6mm×37.6mm / 203g 44mm x 44mm x 127mm / 395g
端子(HDMI、USBなど) USB2.0/3.0/Type-C, HDMI USB Type-C USB Type-C
コメント   動画は独自ファイルの.insv形式で保存される→MP4への変換必須 AndroidOS搭載

※「Insta360 Titan」の詳細スペックはこちら
  https://store.Insta360.com/product/Titan

※「LabPano PilotOne」の詳細スペックはこちら
  https://livingcg.jp/labpano/pilotone/

※「Insta360 X4」の詳細スペックはこちら
  https://www.Insta360.com/jp/product/Insta360-x4

 

テスト撮影

 

■固定撮影(三脚固定)


「Insta360 X4」と「Insta360 Titan」「LabPano PilotOne」の画質比較です。
三脚に固定したカメラで動画を撮影し、動画から切り出した静止画を比較します。
※「Insta360 Titan」は11K解像度ですが、他のカメラに合わせて8K解像度としました

 

・撮影地点と撮影
 赤●の箇所にカメラを設置し、ターゲット①②の鮮明度を比較しました。

◇画像:撮影ポイント
◇画像:ターゲット①
◇画像:ターゲット②

・ターゲット①
 ターゲットまでの距離:およそ10m

35_01.jpg
35_02.jpg
35_03.jpg

 

ターゲット①画質比較

35_04_.jpg

Insta360 Titanが一番鮮明な画質。PilotOneとX4で同程度の画質
(個人情報保護のためモザイクを掛けていますが、車のナンバーの判読で鮮明度を判断しています)

・ターゲット②
 ターゲットまでの距離:およそ15m

35_05_.jpg

Insta360 Titanが一番鮮明な画質。PilotOneとX4で同程度の画質
(個人情報保護のためモザイクを掛けていますが、車のナンバーの判読で鮮明度を判断しています)

■移動撮影(車両移動)

 Insta360 Titanの上にInsta360 X4を設置して一般道路を移動しながら撮影しました。

移動撮影_設置状況

35_06.jpg

 

 

■撮影後の処理

 てんかく忍者の検索・閲覧システム「4D-db」で活用するには、Insta360社の独自フォーマット
「insv形式」から「mp4形式」に変換する必要があります。
 変換は「Insta360 studio」で行います。Insta360社のホームページから無料でダウンロードできます。

 

Insta360studio(360動画の編集ツール)

35_07.jpg

 

 

■画質

 Insta360 X4の撮影画像を確認します。


・構造物全景

35_08.jpg

・道路の路面損傷

35_09.jpg

 

・ボックスカルバート横壁

35_10.jpg

 

・ボックスカルバート天井(チョーク)

35_11.jpg
露出補正後
35_12.jpg

暗所で一見真っ暗に見えるようでも、階調がしっかりと残っているので、ビューア上で露出を変えると、より見えるようになります。

 

■結論

 Insta360 X4による移動しながらの撮影でも、構造物や道路・ボックスカルバート内の状況把握が可能なことを確認できました。

 

 

▼この記事を書いたひと

R&Dセンター 渡邉 裕樹

位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。

 

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