作成日:2018/03/06
作成者:R&Dセンター 松井良行
近年、ブラック企業、過労死、サービス残業、パワハラ、セクハラなど、従業員の人生に対する、企業の悪弊が社会問題としてクローズアップされ、政府も対策に乗り出しました。"働き方改革"と名付けられたこれらのスローガンは、その実、どのような具体的な活動として展開すべきなのでしょうか?
上記のような事態は、一部の行き過ぎた企業にだけ生じたインシデントなのでしょうか?
いいえ、どこでも程度の差こそあれ、発生している"企業と従業員の普遍的な問題"と考えます。
だからこそ、悪玉を特定して制裁を加えるのではなく、社会全体で仕組みを考え直さなければいけない"フレームワーク"の問題なのです。
"元社員が今だから明かすGoogleが働き方改革をしない理由"というビジネス+ITの記事では、プロノイアという企業の代表取締役のインタビューから、日本で言われている"ITツール""フリーアドレス""フレックスタイム制"などの導入は、本当の働き方改革ではないと疑問を投げかけます。
「そもそも私が働いていたグーグルには"働き方改革"という考え方すら存在しませんでした。共通ビジョンのもと、誰もが自分の働き方を理解し、最大のアウトプットを生み出すという明確なルールに従って行動していたからです。つまりグーグルでは、アウトプットに必要なプロセスを改善することが、結果的に働き方改革になっていたのです」
引用:ビジネス+IT 元社員が今だから明かす グーグルが働き方改革をしない理由
と言っている部分は、動機、目標、プロセスを重視せず、施策、結果に目が行きがちな"働き方改革"に、視点移動を促す、重要な言葉だと思います。
ワークライフバランスという言葉があります。ワークとライフを調和させ、相乗効果を生むもので、ワークとライフを相反するもの、時間を奪い合うものとは見てはいけないそうです※。もともとワークライフバランスは、米国から出現した考え方で、会社を含む、大きな社会問題を背景に持っています。
日本でもすでに顕在化している問題"少子化(子育て、就労)"、"労働人口減少"、"高齢化(看護、介護、看取り)"。働くものとしての役割を見直す必要に迫られたということだと思います。
ここではワークライフバランスの定義や、解釈については書きませんが、ワークライフバランスを考えるきっかけとなる、印象深い記事を紹介して終わります。
※BOWGL ワークライフバランスとは?誤解されがちな定義と取り組み事例を解説
以前、ナースが聞いた「死ぬ前に語られる後悔」トップ5というネットの記事が話題になったことがあります。(原文:Gardian紙)
オーストラリアで緩和ケア(最後の12週間を過ごす施設)で数年間携わった看護師Bronnie Wareさんという方が聞いた、患者たちが語る後悔のトップ5は下記になるそうです。
人生の11%が勤務時間(週5日、8時間/日、23歳~60歳で計算。ちなみに睡眠は一日8時間毎日なので33%になります)
8時間の仕事時間が、これほどまでにライフ(人生)に影響しているんですね。
2018/03/05
R&Dセンター 松井良行
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