2015年以降、VRゴーグル、ヘッドマウントディスプレイと呼ばれる製品が多くリリースされました。 Oculus Rift製品版のリリースを皮切りに、ゲーム開発メーカと連携するHTC Viveや、多くのゲームタイトルとユーザを抱えるPlayStation VRなどが話題を集めています。
コンテンツ面では、昨年3月よりYoutubeが360°動画配信に対応するなど、2015年はVR元年などと言われ、「VRはTVを超える」とか、「AR/VRがプラットフォームになる」など熱狂気味に語られました。
(反面、360VR配信のスタートアップ企業Vrideoは、昨年サービスを停止してしまいました)
今現在、VRと言った場合、大きく分けて"CG"と"実写"に分かれます。ゲームやシミュレータの分野では、CGによるVRがメインコンテンツですが、360°カメラによる実写系の360VRもコンテンツが増え続けています。VR映画やVRゲーム、VRホラー、VR広告などが一般向けに市場を広げています。
当社では、少し視点をずらして、業務系の360VRの活用を考えていきます。
前述の高価なHMDではなく、最近ではスマートフォンの高精細なディスプレイを流用したスマホVRが身近になってきました。
近年では、装着用のベルトが細かく調整できたり、遠視・近視や瞳孔感距離の調整が可能な上、ステレオヘッドフォンを付けた高機能なものが数千円足らずで購入できるようになりました。
例えば、下記のようなものがあります。
※Bluetoothのリモコンを使うことで、音声のミュートやボリューム調整、Youtube動画のプレイ制御などを、HMDからスマホを取り外さずに行えます。
360°コンテンツを閲覧するビューアは多く存在します。
大きく分けて、以下になります。
クラウド上にアカウントを作成し、アップロードする必要があります。
完全にオープンに一般公開する、URLを知る人だけでシェアする、非公開アップロードで自分だけが見るといった閲覧権限設定ができるクラウドサービスも存在します。
サイトのコンテンツに最適化したメニューやビューアのインタフェースで、分かりやすくなっています。
モバイルデバイスへのデータコピーでオフライン参照できます。クラウドサービスが提供されている場合が多く、その場合は前者と同様です。クラウドへ一度アップすることでシェアが出来ます。
さまざまな設定や機能があり、中には4Kなどの高精細な動画に対応しているものもあります。
360°写真をSNSやモバイルアプリで参照できます。
360°写真をFacebookに添付すると、360°ビューアが埋め込まれスマホVR(1眼)で参照できます。
オフラインで利用するには、RICOH THETAアプリやGoPro VRビューアが便利です。
分類や参照順を設定したいところですが、プレイリストが存在しないので、モバイルデバイスの写真管理機能を流用し、アルバムのグループ化をするなどして、連続的に再生できるように工夫すると良いでしょう。
Google Street Viewのようなウォークスルー(視点移動)が可能なWebコンテンツです。1眼または2眼ビューのVRに対応します。
PCで行うマウスクリックの代わりに、画面中央にフォーカスが当たり、3秒程度見つめ続けることで視点移動を実現します。
ユーザが自分の意思で360°パノラマのシーンを切り替えることが出来るので、eラーニング教材や案内に活用できます。
ネットワーク上に設置する場合はFirefox、SafariなどVRに対応したWebブラウザで閲覧できます。
オフライン環境で使用する場合は、Kolor社のPanotour Viewerのptv形式をモバイルデバイスにコピーすることでインストール可能です。
※バーチャルツアー作成にはKolor社のPanotour Proのv2.5以降が必要です。
360°動画をHMDで閲覧します。
撮影した動画をそのままではなく、タイトルやテロップ、図形などをオーバーレイしたり、ナレーション音声を重ねることで、360°動画によるチュートリアルを作成できます。
ユーザが視点を変更したり、シーンを切り替える機能はないので、受動的に視聴するだけですが、バーチャルツアーでは表現できない動きや、同時性が表現できます。
Youtubeなど360°動画配信サービスにデータをアップロードし閲覧するのが最も簡単な方法です。(公開、限定公開、非公開の設定が出来ます)
他にも、360HerosやGoProなどにも同じような360°動画サイトを無償利用できますが、Youtube(Google)は8K動画配信にも対応しており、業界トップクラスの画質を誇ります。
その他、オフラインで360°動画を閲覧するには、Gopro VR Playerがお奨めです。(モバイルデバイスにデータをコピーするため、転送の手間と大きなデータ容量が必要です)
撮影時にステレオ3Dカメラで撮影した動画コンテンツを、スマホVRで見ると立体感のあるリアルな動画になります。
GoProステレオシステムを使って、4Kの3D動画を制作できます。
撮影時に360°カメラをステレオで撮影すると、3D 360動画になります。3Dの立体表現に加えて、ユーザが自分の意思で360°ぐるりと見渡すことが出来る映像表現です。
3Dに対応した360°カメラやレンダリングするソフトウェアが一般的ではなく、コンテンツ制作もデバイスメーカーもまだまだ手探りの状態です。
当社では、Goproを12台使って3D 360動画を撮影できる機材を保有していますが、試験的に撮影、コンテンツ制作している段階です。今後は、KeyMission360を2台使って3D 360動画を撮影する実験を予定しています。
※現状は、後述の"HMDを使った360VRコンテンツの課題"があり、長時間の閲覧や、小さい子供が閲覧する可能性のあるコンテンツを3D 360動画で制作することをお奨めしません。
ここでは、360VRとHMDを使った業務中での活用方法をご提案します。ご紹介できる事例が出来次第、順次更新していきます。
工場や土木、建築の現場での安全教育を360°動画で行う提案です。
従来の2DやCGによる閲覧ではなく、HMDによって文字通り「体感」してもらい、
漏れる、あふれる、燃える、爆発する、倒れる、飛び出す、ぶつかる、動き回る、外れる、落ちる、崩れる...などの危険を学ぶことが出来ます。
現場を実際に撮影した360°動画に対して、リアルな音声やナレーション、説明ポップアップなどを追加出来ます。
生産設備、工程の見学など、VIPのお客様、取引先、学生、一般公開など、貴社の工場や社内への対応をWebで出来ます。
実際の工場見学では、説明できる要員の確保が難しかったり、危険箇所、段取り替えなどその場ですぐに説明できない部分も出てきます。360°動画や360°バーチャルツアーを使って、コンテンツ化しておけば、来場者が見たいところを、危険な場所でも安全に、詳しい解説が必要な部分は、詳細に、自分の意思で見ることが出来ます。
従来はマルチカメラで撮影していたような映像コンテンツは、360動画で表現できるかもしれません。
同時に複数人が動いて何かを仕上げるような場合には、360°動画で視点を移動できるコンテンツが有効です。
例えば医療関係の動画マニュアルで、施術時の各スタッフの動きや、工場ラインの人と装置の動きや操作パネルと機械の動きの関係。列車の運転台と運転席からの風景を同時に見られ、音声や文字による解説がつけられます。
また、静止画の360°バーチャルツアーでは、シーン切り替えやコンテンツのリンクなどの表現を使えます。
ノーヒントのパノラマバーチャルツアーと、解説やコメントを追加したバーチャルツアーで答え合わせとすることも出来ます。
VRゴーグルを使って、会社の設備、施設の紹介や、社員の座談会の体験。面接の疑似体験など、よりリアルに会社を知ってもらうための360°動画コンテンツで貴社のアピールが出来ます。
例えば、製造業様であれば、貴社の特殊な生産設備や、自慢の製造工程を、工場上部からの360パノラマ+タイムラプス撮影で表現できます
就職フェアなどで、HMDを使ったリアルな職場紹介を体感イベントにしてしまいましょう。
話題性の高い360°動画コンテンツを作り、Youtubeにアップして貴社をアピールしませんか?。
6歳以下の子供は、立体視細胞の成長が完了していないため、二眼VR、HMDなどのコンテンツを見ることで、斜視になる可能性があると報告されています。また13歳程度までは瞳孔間距離(黒目の間の距離:IPD)が成長するので、13歳以下の子供には、IPD調整機能の付いていないHMDの利用は控えるようにと、業界のガイドラインで定められています。
Nintendo 3DSは7歳未満には3D映像を見せないように推奨。SEGA VRが製品化されなかった一因に子供に3D映像を見せる健康リスクが合ったとも言われています。
大人であってもコンテンツの視聴時、目に対する負担が大きすぎ、数分見ただけでも頭痛がするなどが発生し、長時間視聴に耐えない場合があります。これは、視点を自分の意思とは別に動かされることで、肉体の感覚と視覚の差異により、酔いが発生するからです。
瞳孔間距離の適切な調整や、レンズの度数などHMDに関する注意事項:フレームレートが荒すぎる、映像の画面切り替えが遅い、ステレオ3Dである・・・などの場合に、酔いを感じることが大きくなります。
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