オープンイノベーション【オープンイノベーション】vol.31:遊間箇所の2画面比較

【オープンイノベーション】vol.31:遊間箇所の2画面比較

4D-dbの特徴的な機能に「同一地点2画面比較」があります。

4D-dbが異なる複数の撮影地点を同一地点として扱うには"GNSSの位置精度が十分に確保(≦1m)されている場合"か"地点修正によって1m以内の精度が担保された場合"です。この場合に、新旧画像の二画面比較ができます。

本記事では、4D-dbが内部で"撮影された場所が同一地点として見なす"方法の解説と、実際に二画面ビューでの見え方がどうなるのかを紹介していきます。

 

■2画面比較 対象画像決定方法

 

あらかじめ作成した1mピッチのキロ程ポリゴン上に撮影地点を展開し、

・キロ程ポリゴン

vol31_1.jpg

 

同一ポリゴンに展開された撮影日の異なる撮影地点を同一地点とみなします。

※この操作によって、一定のばらつきのあるGNSS位置情報が1次元の線に集約されます。(この時点で進行方向の補正は掛けていません)


・同一地点判別

vol31_2.jpg

 

ビューアで日付を指定することで、構造物や設備の変化を画面上で確認できます。

・2画面ビューア

vol31_3.jpg

 

 

■4D-db 2画面比較

 

同一地点2画面比較にて、遊間の様子を比較できます。

 

(遊間検出結果に変化あり)

vol31_4.jpg

 

右側は、昨年初夏の気温が高い時期の撮影です。レールが膨張した影響かほとんど隙間が存在せず、検出結果は「遊間狭い」です。今年春になると検出結果が「遊間標準」に変化したとおり、遊間の隙間が確認できるようになりました。

 

(遊間検出結果に変化なし)

vol31_5.jpg

 

画角や影の具合で多少見え方は違いますが、検出結果はどちらも「遊間標準」で、どちらの画像からも隙間が確認できます。

 

また、正面と左右の画像にて周辺環境の確認が可能です。

 

(正面・右・左)

・正面

vol31_6.jpg

・右

vol31_7.jpg

・左

vol31_8.jpg

 

山間部では樹木の繁茂が運行の妨げになる恐れがあります。4D-dbに画像を登録しておけば、樹木の繁茂状況や樹木がレールにどれだけ近いか把握可能です。また、2画面比較を活用して繁茂状況を時系列に沿って管理することで、伐採時期や剪定計画の検討に役立てることができます。

 

・山間部

vol31_9.jpg

 

 

■まとめ

 

今回は、2画面ビューアを紹介しました。今年の春と昨年初夏を比較し、遊間検出結果や周辺環境を比較する様子をご確認いただきました。

今回は単純な2時期の比較でしたが、定期撮影や工事後の経過など、撮影データを蓄積することで、以下のような効果を期待できます。

  • 定期的な撮影を通じて構造物の変化や修復の様子を段階的に把握できるため、修繕が必要かどうかの判断が迅速になります。
  • 現地に行かずに画面上で完結でき、2画面比較を関係者間で共有することで、合意までのプロセスが円滑に進みます。
  • 物体検出で特定箇所を抽出し、2画面比較でそれがいつから発生しているのか確認するのが、4D-dbで推奨したい運用方法です。定期的に撮影を行うことで、"経時的な変化の確認"を行えるようになります。

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▼この記事を書いたひと

R&Dセンター 渡邉 裕樹

位置情報、GIS関連が得意です。この道20年やってます。

 

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