社員がゆく中部の地下に眠る財宝探し

中部の地下に眠る財宝探し

世界遺産の白川郷に埋蔵金が?

去年年末に、テレビ愛知の「消えた戦国の城 白川郷の埋蔵金を追え!」という番組を見た方はいますか?

私は知らなかったので見ていなかったですが(かなり有名な先生も出ているので、見ていなくて残念!)、この間、家族を連れて白川郷に観光に行く時、またその話題を思い出しました。

世界遺産の白川郷には、埋蔵金伝説があります!私にとっては村景色よりそそりますね。

白川郷

もちろん、法律上、埋蔵金を見つけても自分のものにすることはできないですが、史跡はよく埋蔵金と結ばれていて、その伝説を信じながら史跡巡りと何倍も楽しいです。

 

埋蔵金を探す時の道具

地下のものを探す時は目だけでは足りません。

余談ですが、プロによりますと、下記の2種類が一番おススメだそうです。

  • 金属探知機
  • 地下20㎝~30㎝にある金属を探知することができるが、本気で探したい場合は業務用(6m)のものを入手しないといけないかもしれません。

  • 地下ロケーター
  • 地下30mまでの異物の存在がわかるらしいです。

どう考えても普通の人は入手しないですね...プロの方がそこまで真剣して取り込んでいるなら、素人は探しても出ない可能性が大きいですね。

 

戦国好きなら衆知の通り、戦争は土地の奪い合いで、その土地に金山・銀山があれば尚更価値があります。

例えば、島根県の石見銀山を知っている方は多いと思います。
石見銀山は「山を崩したり森林を伐採したりせず、狭い坑道を掘り進んで採掘するという、環境に配慮した生産方式」のため世界遺産として評価されているので、どうも「近世」「近代」のイメージが強いですが、実はここは戦国時代後期から江戸時代前期が最盛期でした。戦国時代、尼子、大内、毛利三氏がこの地にめぐり戦争を繰り返しました。

「富=力」は昔から通じますね。

 

日本には1万ヶ所近い「埋蔵金伝説」があるといわれていますが、真実味があるのは1%程度だそうです。果たして本当でしょうか?

その中で、私が「人生で一度は行ってみたい」のが山梨県の黒川金山をはじめとする甲斐金山遺跡です。なぜなら、ちゃんと「古い」遺跡が残っているからです。しかし結構ハードな道でなかなか行ける機会がなく、今回は中部地方の(私が行ったことがある)埋蔵金伝説がある場所をご紹介します。

もちろん、普通の観光で行きましたが、それでも「もしかして?」と思うと、ワクワクしますね。

 

白川郷:帰雲城の埋蔵金

冒頭の白川郷の埋蔵金ですが、実は「帰雲城の埋蔵金」と言ったほうが正しいです。

飛騨地方は昔から砂金の産地で、多くの金銀鉱山を抱えていました。
ここの築城主内ヶ島為氏は、室町時代将軍足利義政の命でこちらに移ってきて、鉱山奉行のような役割ですので...この地域は豊な鉱脈があるに違いないです。

また、ここの最後の領主である内ヶ嶋氏理は当時天下統一しようとする豊臣秀吉と対立し、敗北したにもかかわらず、豊臣秀吉が内ヶ嶋氏理を城に帰らせたのも、「黄金狙い」の可能性が高いです。

帰雲城

ところが天正13年11月(1586年1月)の夜、巨大地震で山崩れが発生。城主内ヶ島氏理を含む、ここの全ての人が一瞬にして生き埋めになりました。もちろん、当時の全ての財宝も地下に...
「埋蔵金」というより、「埋没金」と呼んだほうが正しいですね。今でも山崩れの跡がはっきり残っています。

帰雲城

帰雲城があったとされる場所は、白川郷から南に5キロくらいのところにありますが、実はその場所もあくまでも「推定」であり、果たして本当かどうかは分かりません。

埋蔵金の金額は数千億円~2兆円と言われています。
しかし、おかしいなことで、今まで埋蔵金目当ての発掘も何度もされていますが、村の痕跡も見れなく...もしかして、城自体が違う場所にあるの可能性が高いです。

ただ埋もれたので、埋蔵金伝説の中で一番見つかる可能性が高い場所と思い、今でもその財宝は地下に眠っているのでしょう。しかしどこを掘ればいいのか誰もわかりません...

 

興正寺:尾張徳川家の埋蔵金

名古屋市昭和区八事興正寺境内にも埋蔵金伝説があります。

興正寺

元和元年(1615年)徳川家康が「大坂夏の陣」に勝利した後、豊臣家の財産を尾張、紀伊、水戸の御三家に分けました。その額はそれぞれ30万両で、有事の際しか使ってはいけないものだそうです。

今の時価に換算すると、30万両は150億円に相当する金額になります。
尾張徳川家のその財産は名古屋城の小天守の地下に収めていると言われていますが、おかしなことに、市の発掘調査では未だに見つからなかったようです。

では、その埋蔵金は一体どこにあるでしょう?

一つの可能性は、『金城温古録』に、嘉永6年に藩が(埋蔵金を探すために)興正寺の大日堂の池下を掘り返したという記録が残っているようです。発掘は失敗したようですが、嘉永6年はベリー来航の年でもあり、「有事の際」に相当しそうな気もします。

興正寺

位置的に、興正寺は名古屋城に7キロしか離れていなく、その東山門は名古屋城の出丸門が移築されたと言われているし、「名古屋城までの地下道」の伝説も残っているので、埋蔵金があってもおかしくないです。

この門はお寺の門ではなく、お城の門に見えますね。

興正寺

いずれにしても、その埋蔵金は使われている記録もなく、未だに名古屋のどこかにある可能性が高いです。

 

中部地方の埋蔵金はその他たくさんありますが、私から見ると「本当?」のところも多いので割愛します。ネットで調べると色々出ます。

ただ木曽山奥の未調査の城跡や立山辺りの鉱脈地帯は、まだまだ知らないことが多く、もしかして今後発掘調査でサプライズが待っているかもしれませんね。

 

トレジャーハンターは世界共通?

日本では「トレジャーハンター」と自称している人や、テレビで埋蔵金探しの番組が多いですが、私が生まれた中国にはそのようなものはあまり見たことがなく、埋蔵金探しに関連しているのは「冒険小説」の類だけです。

なぜかと考えると、たぶん法律が違うのが一番の理由だと思います。

日本で埋蔵金が発見する場合当てはまるのは「遺失物法」と「文化財保護法」で、大体以下の可能性があります:

  1. 遺失者がわかる時、ものは遺失者に返しますが、5%-20%「報労金」はもらえる
  2. 遺失者がわからない時、発見者と地主と「等しい割合」で物件の所有権を折半取得
  3. 「文化財保護法」に引っかかる場合、発見者と地主が物件の価格に相当する額の「報償金」をもらえる

こう見ると、大金を見つけたら、一気にお金持ちになれますね!

 

しかし、私がいる中国では、「トレジャーハンター」と自称するものは現実生活では見たことがありません。埋蔵金の話題も少なく、誰も財宝探ししていないので、日本の埋蔵金が面白いと思っているわけです。

中国の「土地」は国のものです。住んでいる人は土地を借りているだけ...という根本的な概念が日本と違います。相続した文化財以外、掘り出したものは「国のもの」です。
それでも、掘ってはいけないというわけではないので、やはり「掘り出したらどうする?」という大きな悩みがあります。

中国は2千年以上の歴史もあり、相当古いものじゃないと、もし見つけても歴史価値が低くて、掘り出して国に渡しても、文化財を管理する文物局が取り扱わない可能性が高いです。しかし、文物局が取り扱わないものと言っても、一応文化財ですので、勝手に道端で捨てたら犯罪になります。掘り出したものは、持ち帰って丁重に番号付けて保管しないといけません。

その管理は場所をとるし、温度や湿度管理も面倒だし、時々文物局が様子を見に来るので...これ以上面倒なことがありません。

 

売るとさらに罪が重いです。
昔、自分の庭で商(紀元前17世紀頃 - 紀元前11世紀頃)の「国家二級文物」の青銅器4件を掘り出して、勝手に売ろうとしている農民がいて、15年の刑罰になった話がありますが...これはまだ刑が軽い方です。

「先祖のもので!相続権がある!」と主張すればいいと思う人もいるかもしれませんが、掘り出したものなのか、相続してきたものなのかは専門家が簡単に判断できます。

西安(中国古代の諸王朝の都となった「長安」)では地下鉄2号線を建てた時、130個以上のお墓に当たり、一番古いのは紀元前の前漢(お馴染みの「劉邦」の時代)のもので...結局調査や路線変更を繰り返し、5年間もかかりました。

逆に、そんな歴史豊かだからこそ、何か掘りだしたら処分もできなくて、対応が適当じゃなければ犯罪者になる可能性もあるので、早く国に献上して報奨金をもらった方が穏便だとみんな思っています。

地下に眠っているのは財宝というより、爆弾みたいな面倒事ですね。誰も掘りたくないし、「トレジャーハンター」になりたくないです。

 

欧米諸国の法律を見ると、アメリカやイギリスは土地の所有者に帰属するので、そのまま私有財産になりますね。
しかし、エジプトやギリシャは国の財産と規定されています。
もしかして、文明が長い所は国の属する傾向が強いかもしれません?

 

▼この記事を書いたひと

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R&Dセンター 陸 依柳

撮影、お城、戦国、ICT、サブカルチャー...常に面白く、新しいものに惹かれるタイプです。地方の戦国イベントによく参加しています☆

 

 

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