新型コロナウイルスが流行っている最中、春の華やかな桜季節がきました。
私も2月からはスーパー以外どこにも出かけていなく、久しぶりに「引きこもり」になりました。カレンダーを見たら既に2ヶ月も...
一番楽しみにしていた春なのに、行きたいリストにたくさん計画を書かれていますが...残念な気持ちはもちろんですが、やはり健康第一で、お花見も旅行もまた来年でも楽しめると思います。
外で思いっきり遊べないけど、一つ試してもらいたいのは風景写真を見ることです。「余計にイライラするんじゃない?」と最初は思いましたけど、試してみると、意外と気持ちが明るくなります。
ゆるりと旅計画を立てられるのは今しかないですね。
さて、今月の「社員が行く」は一緒に去年撮影した名古屋城の桜の写真を見ながら、少し桜の話をしましょう。
「お城×桜」は日本の代表的な風景で、外国旅行者の中でもTOPクラスの人気です。
1990年に選定された「日本さくら名所100選」に、実に29ヶ所がお城のある場所です!
しかし、その中に名古屋城は入っていません。
市内の私の一番お気に入りの桜撮影スポットで、いつも鶴舞公園より味の良い写真が撮れるのに、なぜ入っていないの?!と不思議でたまらないですが...
推測ですが、多分選定されていない理由は、城内(有料エリア)の桜の木が少なく、外堀の桜の木が分散されていて、一見したら本数が足りないのが理由じゃないかと。
三の丸を含むと、名古屋城の総延長は約8.2キロメートルですので、さすがにいくら桜の木を植えても足りないですね。
実は戦国時代のお城に桜なんてありません。
桜の木は視界を悪くして、敵が見えなくなるからです。
お城に桜が植え始めたのは、明治以降、政府が廃城令を出してからです。
陸軍省に委ねられたお城の多くは壊されて、学校や公園などになったので、今私たちがよく見る「城跡」の姿になりました。
建物が壊されたけど石垣はそのまま残されています。その石垣と土塁の崩落防止のため、植物の根を利用しようと思い、見栄えも良く、お手入れもしやすい桜の木が選ばれたわけです。
日本三大桜名所(青森県の弘前公園、長野県の高遠城址公園、奈良県の吉野山)の中の2ヶ所がお城です。
弘前城や高遠城のような規模の桜の木が植えたのは、崩れ防止の機能もありますが、やはり何よりも当時の旧藩士が荒廃した城を見たくない、多くの人に愛でてもらいたいという気持ちを持って植えたからです。
当時「お城と桜は似合わない!」と反対する藩士もいたのでしょう。でも今、「お城×桜」が日本を代表する景色になり、当時の藩士の愛郷の気持ちがちゃんと引き継がれていますね。
では、明治時代以前のお城に木は植えていたのでしょうか?
もちろん、数は少ないのですが、山崩れを防止するために、実用的な樹木を最低限に植えていました。
一番多いのは今でもお城跡によく見かける「松」です。松明や籠城時の燃料として使えます。
その他、建築材料として使える「竹」や「杉」、兵糧用として使える「梅」や「銀杏」、また防虫効果や鎮痛剤として使える「楠」などがあります。
そういう意味から見ると、今の鑑賞用の「桜」は、平和時代の象徴ともいえるでしょう。
「日本さくら名所100選」の中で、愛知県にあるのは4ヵ所、その中の2つは名古屋にあります。
今年はどちらもライトアップや屋台が中止することになり、現地に行くのは来年以後のほうがいいですね。
一つは山崎川四季の道です。普段川に沿って運動している市民が多く見えて、観光地というより、親しまれている生活空間ですね。
もう一つは鶴舞公園です。桜の木が密集していて、例年は屋台も多く、サラリーマンがお花見会をする場所です。
その2ヶ所ともにあんまり歴史的な話題がないので、やはり単なる桜の木の本数で決められたのでしょう。
その他は岡崎市の岡崎公園。去年の記事はそちらを取り上げましたが、桜と同時に歴史も楽しめる場所です。
最後は岩倉市の五条川です。初春の風物詩である鯉のぼりののり落とし作業「のんぼり洗い」と一緒に見学するのが一番風情があることですね。
桜と言って、真っ先に思い浮かぶのはやはり日本ですね。
昔から文学作品などによく登場する、その潔く散って姿は、長い歴史の中でも日本人の心に共鳴してきて、文化に深く根付いたようです。
実は、日本を象徴する花の桜は日本だけではなく、ヨーロッパ・西シベリア、中国、米国・カナダなどにもあります。
異国の人もお花見する?と不思議に思うかもしれませんが、私の国の中国では、春になるとお花見します!
但し、桜に特別な感情を抱いているのではなく、藤や紫陽花や蓮のように、普通に「季節の花」として楽しんでいるだけですね。
中国の桜の景勝地というと、真っ先に思い浮かぶのは無錫市の黿頭渚(げんとうしょ)です。
黿頭渚は太湖一の美景と言われ、中国建国前の著名人や政府要員の個人庭園や別荘が統合されている公園。
1987年日中友好のために植えた桜の木は100種類30000本もあり、春になると50万人を超える観光客が訪れていて、撮影家にとってもドローン撮影の人気スポットです。
中国の新型コロナウイルスの一番ひどかった武漢市の武漢大学も桜の景勝地として有名です。
桜並木は千本以上。最初にここで桜を植えたのは戦時の旧日本軍でしたが、今私たちが見えているのは1972年の国交正常化の際に田中角栄首相がプレゼントしたものです。
今年は感染拡大を予防・抑制するため、観光客のリクエストに応じて、武漢大学は「クラウド花見」サービスを開始し、3月16日から25日にかけて毎日インターネットでキャンパスに咲く桜をリアルタイム配信していました。
私の実家の上海顧村公園にも20種類以上一万本以上の桜を植えています。
3月上旬の早桜から4月上旬の染井吉野まで、長い期間で桜祭りを楽しめます。
今年もコロナウイルスの影響で「クラウド花見」が推薦されていて、3月中旬から公園が再開しましたが、自粛する人が多くて人がだいぶ減りました。
もっと見たい場合こちら
日本各地もこれから満開の時期に入ります。
「クラウド花見」がまだ浸透していない日本でも、多くの人が桜の枝を買って家に飾り、自宅でお花見を始まっています。
やはり今年は外出せず、桜の違う楽しみ方を探しましょう。 また来年でも同じ桜が咲くので、みんなで、笑顔でお花を見ながら春を楽しむ日はきっと来るでしょう。
▼この記事を書いたひと
R&Dセンター 陸 依柳
撮影、お城、戦国、ICT、サブカルチャー...常に面白く、新しいものに惹かれるタイプです。地方の戦国イベントによく参加しています☆
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