AR/VR/画像処理【機械の目 Vol.4】4K動画から生成した静止画をディープラーニングに利用する

【機械の目 Vol.4】4K動画から生成した静止画をディープラーニングに利用する

ディープラーニングによる画像認識技術には、画像に何が写っているのかを分類する"分類(Classification)"や全体として何を表しているのかを認識する"認識(Recognition)"とどこに何が写っているのかを抽出する"物体検出(Detection)"があります。

弊社では、「何が写っているのかを分類した上で、それがどこに写っているのかを提示する」仕組みとして、Tensorflow+KerasのSSD(SingleshotMultiDetector※)を検証しています。

※SSD:1枚の画像から複数の物体を検出する。



技術開発の目的(ゴール)

  • 人が巡視しなければいけない場面を映像撮影で代用したい
  • 映像の中身を人が実時間で確認する行為を減らしたい
  • 映像に何が写っているのかを自動的に抽出、判定したい
  • 撮影日の異なる同一地点の変化を知りたい


ディープラーニングモデルの作成

画像、映像に何が写っているのかの定義を、人間がコンピュータ(ディープラーニングモデル)に教えることを、 "学習させる"と言います。学習に使うデータを、教師データと言い、これらをどれだけ用意して、何回学習させるか?によってモデルの抽出率※、認識精度※や、汎化性能※が高まります。

  • 0:画像、映像データの準備
  • 1:区分の決定
  • 2:アノテーションデータの作成
  • 3:モデルの学習
  • 4:モデルの評価

※抽出率:対象をどれだけ漏れなく抽出できるか
※認識精度:認識した結果がどれくらい合っているか(どれくらい間違いなく認識したか)
※汎化性能:学習させた画像、映像以外の同対象を認識できるかどうか?(自分が見たもの以外の特徴をどれだけ認識できるか)


当社のルール

1区分最低100枚。学習回数は50回実行する。Accuracyが0.7以上得られれば成功。それ以下は失敗。
SSD300(VGG16派生モデル)のモデルを転移学習。

教師データに4K動画からの静止画を活用する



SSDによる高速道路設備の一般物体認識モデル

高速道路上を走行する車両から撮影した前方映像を使って、案内標識、キロポスト、クッションポール、跨道橋、 クッションドラム等の高速道路設備の物体認識をします。
GPSによる位置情報と、画像/映像に何が写っているのかの情報を合わせて、データベースの検索情報として活用できます。


  • 跨道橋
  • 画像認識の跨道橋の場合

  • 案内標識
  • 画像認識の案内標識の場合

  • ジョイント
  • 画像認識のジョイントの場合

  • クッションポール
  • 画像認識のクッションポールの場合

  • クッションドラム
  • 画像認識のクッションドラムの場合

  • 非常電話
  • 画像認識の非常電話の場合

  • キロポスト

画像認識のキロポストの場合



SSDによる土木設備の変状モデル

高速道路設備・施設コンクリート部の剥落、ガードレール等金属部分の錆、付近植生の変化を認識します。
異常個所の特徴をうまくモデル化できれば、変状箇所と位置情報を紐づけたデータベースを自動的に作成できます。

  • 剥落
  • 植生


物体認識の結果をデータベースの検索キーワードとして活用する例

  • μファイルジオでキーワード指定した検索結果(地図表示)

μファイルジオでキーワード指定した検索結果(地図表示)



物体認識の結果と位置情報から、同一地点の映像を特定する例

  • μファイルジオで位置情報、フレーム位置、物体認識タグを指定して、類似画像を検索した結果(比較表示)

μファイルジオで画像類似検索した検索結果(比較表示)

 

 ▼この記事を書いたひと

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R&Dセンター
松井 良行

R&Dセンター 室長。コンピュータと共に35年。そしてこれからも!


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