社員がゆく土偶女子が「国宝」展へ行ってきた!

土偶女子が「国宝」展へ行ってきた!

10月3日から 11月26日まで京都国立博物館で開催している特別展覧会「国宝」展に行ってきました! 今日までに 35 万人の入場者があった大人気の展示の見どころをご紹介します。

この「国宝」展、京都で開催されるのは41年ぶり。期間中に展示替えが4回も!夢の8週間です!展示品は200件以上、ぜんぶ国宝、純度100%です!

そもそも国宝って?

「国宝」という言葉が生まれた当時は、国内の多くの宝物が破壊や盗難に遭い、中には海外に流出してしまうという時代でした。そんな中で、「国の宝を守り、後世に伝えなければならない」と人々は立ち上がり、「国宝」という言葉を生み出したのです。 現在の文化財保護法では、重要文化財の中から「世界文化の見地から価値の高いもの」で「たぐいない国民の宝」を「国宝」としています。
日本の歴史と美の最高峰、それが「国宝」です。

国宝展ってどこがすごいの?

すごいところ① たくさんの国宝が一度に見られる!

2017年11月現在、国宝の美術工芸品 に指定されているのは 885 件。「国宝」展では、その約4分の1にあたる約 200 件の国宝が展示期間を大きく4期に分けて一挙公開します。 貴重な国宝が1カ所に集結することはまさに奇跡です!

すごいところ② 京都で見ることができる!

京都国立博物館ではこれまでに1969年と1976年の2度「日本国宝展」を開催してきました。 3年前の2014年には東京国立博物館で「日本国宝展」が開催されていますが、京都での開催は41年ぶり!この秋の開催で3度目です。
開催地である京都国立博物館は1897年に誕生し、今年で開館120周年を迎えます。時を同じくして現在の文化財保護法の先駆けとなる古社寺保存法が制定され、 その中ではじめて「国宝」という言葉が生まれました。京都国立博物館と「国宝」は実は同い年なのです。

すごいところ③ 展示品がすごい!

雪舟の国宝6件の展示や、世界に3点しか存在しない曜変天目茶碗、100年ぶりの里帰り、尾形光琳の燕子花図屏風などなど見逃せない展示がたくさんあります...
考古学を専攻していた私ならではの視点で見どころをご紹介します!

なんといっても国宝の土偶!

土偶とは、人をかたどって作られた素焼きの土器のことで縄文時代をとおして全国各地で作られています。多くの土偶が女性を模したもので、豊穣や安産祈願など祭祀の際に使われたのでは?と言われていますが、その用途についてはわかっていません。

私は縄文時代遺跡の発掘調査に携わってきましたが、出土した土偶に出会ったのは一度だけです。それも土偶の片足だけが出土したので、はじめはこれが土偶ということを認識することができなかったくらいです...。 土偶は手足が砕かれた状態で出土することが多いのです。
(出土の仕方からも縄文時代の信仰にかかわっているといわれています。)
なので、博物館で全身像をみることができる土偶はレアなのです。レアの中でも国宝に指定されている土偶はレア中のレア!わずか5体しかありません。

今回「国宝」展でみることのできる土偶は仮面の土偶縄文のビーナス縄文の女神の3体です。館内は写真撮影ができませんので、フィギュアでご説明いたします!

仮面の土偶

今回展示されている3体のうち2体、仮面の土偶と縄文のビーナスは長野県茅野市で出土しています。
この土偶、国宝に指定されたのは3年前。国宝の中では新入りです。私はこの土偶に会うのは3回目でしたが、それでも感動しました!

「仮面の土偶」という愛称ですが、顔に逆三角形の仮面をつけているのでは?ということで名づけられています。
オススメの角度は斜め後ろ!仮面が頭の後ろに紐のようなもので結んであることがわかります。

仮面のⅤ字に施されている紐ですが、私は眉毛を表現しているのではないかな?と思っています。
身体に施されている文様も素敵な幾何学模様...
この土偶、表面だけでなく裏も魅力的なのです。この美しい土偶が4,000年も前に作られたことがまたびっくりですよね。

縄文のビーナス

この土偶も長野県茅野市から出土しています。これは仮面の土偶よりも古い時代の土偶です。この子は土偶の中の土偶。元祖土偶という感じがします。この胸の表現、くびれを強調したお腹、そして大きなお尻、ダイナマイトボディ!と思わず声にでてしまいそうです。
この土偶は妊婦なのではないかといわれています。

このグラマラスな体に目がいきがちですが、頭にも注目していただきたいのです!

頭には円形の渦巻き模様が施されています。この渦巻き模様、帽子をかぶっているのでは?といわれていますが、私にはお団子ヘアでまとめ髪をしているようにみえます。 耳にピアスの穴のような表現がついていて、女の子らしいおしゃれをしています。
それから、この土偶、とてもキラキラしています。土質にキラキラとひかる雲母が使われているのですが、さらに表面を磨いて光沢感をだしているのです。現物を見ると金色に光ってみえます。

縄文の女神

私の一番大好きな土偶です!女神たんと呼ぶくらい大好きです。良さといったら、何よりこのフォルム。
八頭身美人です。顔も体もデフォルメされた表現。そしてウエストのくびれ!
素晴らしすぎます。ぜひ横からこの土偶をみてください。

上半身はすごくシンプルですが、下半身はどっしりとしていて細かい表現もこの土偶の魅力です。

この土偶は山形県出身。さきほど紹介した元祖土偶、土偶代表の縄文のビーナスと比較するとかなり女子力低めです...これは東北の土偶の特徴で、縄文時代のもっと古い時期から女性っぽい表現は控えめなのです。

実物をみると想像よりも大きな姿に驚く人も多いとおもいます。なんと高さが 45センチもあるのです。 今回展示されている土偶は大きな子が多く比較が難しいですが、一般的な土偶は平均すると 15~20 センチなのです。この土偶は平均の2倍もの大きさがあります。

大好きな土偶で、「国宝」展の見どころを語りすぎてしまいました...。
ぜひ足を運んで、本物を見に行ってください。

京都国立国博物館をでて、秋の京都をスマートフォンアプリ「京都遺産めぐり」を使って国宝にまつわるスポットを探索してきました。

アプリで京都の国宝をめぐる!

三十三間堂

まず博物館の道路を挟んで向かい側にある三十三間堂に寄りました。

三十三間堂とは、内陣の柱と柱のあいだの数が33あるという建築的な特徴からその名前がついています。「三十三」という数にも意味があって、観音菩薩の変化身三十三身にもとづく数なのです。

およそ長さは120メートルもあり、木造建築としては世界的にみても稀です。堂内には、国宝の中尊千手観音坐像を中心に千体の千手観音立像、観音二十八部衆像が並んでいます。 何度も来ていますが、整然と果てしなく並ぶ観音像に圧倒されます。見ていると心が休まり、洗われる気持ちになれます。

豊国神社

次に歩いて豊国神社にいってきました。歴史上の人物として誰もが知っている豊臣秀吉を祀る神社です。この社殿は徳川家康によって壊され、明治時代に再建されたものです。 明治天皇が豊臣秀吉をたたえ、豊国神社再興をしたそうです。国宝の唐門は伏見城の遺構です。桃山時代の豪華絢爛な特徴が残っています。境内には豊臣家の家紋が至るところにありました。

六波羅密寺

続いて空也上人像で有名な六波羅密寺に行ってきました。住宅街に囲まれた場所にあり、こじんまりとした佇まいでした。 しかし宝物殿には、教科書にでてくる平清盛の僧形像や空也上人像などが展示されていて、想像以上に素晴らしいお寺でした。
こちらの国宝は十一面観音立像で、12 年に一度しか開扉しない秘仏だそうです...次回は 2024 年...いつか見てみたいです。

建仁寺

続いて建仁寺。こちらの建仁寺の国宝は誰もが知っている風神雷神図です。本物は「国宝」展 に 展示されているため、 本物そっくりの レプリカを鑑賞してきました。

こちらのお寺、すべて撮影ができるのが魅力的の一つです。法堂天井にある大双龍図は、畳108枚分もあるそうです。3つの庭園があり、休憩しながら落ち着いて座りながらのんびりと眺めることができました。

NHK京都放送局

最後にゴール地点として訪れたのは NHK京都放送局。

NHK京都放送局では、このスタンプラリーの景品をもらえます。
入ってすぐおおきなどーも君がいました!スタンプラリーで訪れたスポットは6箇所。

景品は国宝のポストカード「風神雷神図」「桜図屏風」でした。
なんと 4 つ折りにして屏風のようにかざることができる優れものです。

 

今回「国宝」をテーマに京都市内を散策しましたが、何度も行っている京都にもまだまだ知らない魅力がたくさんあることがわかりました。また違った切り口で散策するのは新しい発見がたくさんあり、一人でも楽しめることを知りました。

京都国立博物館の「国宝」展は11月26日まで開催しています。

京都の文化遺産をめぐるデジタルスタンプラリー
京都市のまち・ひと・こころが織り成す文化遺産の魅力をより分かりやすく伝えていくナビアプリケーションです。
各ポイントには分かりやすい詳細説明もあり、知らない場所でも楽しく巡ることができます。
京都市国立博物館の「国宝展」とコラボした期間限定のコースもあります。

おすすめの関連記事


社員がゆくの最新記事