全国第3位の人口を有する名古屋市は、 江戸時代は尾張徳川家の治める名古屋城の城下町として繁栄した歴史を持ち、明治や昭和時代を経て、今でもレトロな建物が多いです。
でも、車や地下鉄に乗っていると、なかなか出会えませんね。
可愛いビルと出逢いたい、可愛い写真を撮りたいっ!と思った時、おすすめの交通手段はやはり「自転車」です。
レンタサイクルをあまり見かけないのですが、調べてみると・・実は名古屋駅の近くに自転車を借りられる場所が点在しています。今回は自転車を借りて、名古屋付近のレトロな写真を撮りに行きました。
名古屋駅から徒歩10分間、ここはスタート地点のCoffee×Wine Nook&Cranny 名古屋本店です。
もちろん、見た通り、ここは自転車屋ではなくて、デリプレートやケーキが美味しく地元でも有名な穴場カフェです。
ここで自転車を借りました!シンプルで可愛いシルバーの自転車です。
さぁ、早速出発しましょうー!
最初の立ち寄りスポットは、名古屋人ならほぼ皆知っている(?)中央菓子卸市場です。全国最大規模の駄菓子問屋街として知られているようです。
ちょうどその日は開いていなく(日曜・祝日はやっていないようです)、錆びたビルを眺めることしかできなかったですが、中に入ると、駄菓子問屋が軒を連ねていて、嫁入り菓子から駄菓子まで昭和レトロなお菓子がいっぱい揃っているのだそうです。
江戸時代、尾張藩の下級武士たちが手内職として駄菓子を作り、それが産業として定着し、多くの駄菓子メーカーが誕生しました。その周辺に、問屋街が出来上がったというわけです。
ここを見ると、名古屋の歴史を感じられますね。
ビルの隣にある隅田神社もなかなか渋いです。祭神は須佐之男大神、迦具土大神です。
狭い入口を潜って...中央社殿です。
さらに進むと、廃墟みたいなビルが急に目の前に現れました。隣のビルも廃墟です。
振り返って見ると、中央菓子卸市場の裏側はこんな感じですね。レトロですよね!
さらに北に進んで、庄内川に通ると、中小田井駅の近くに古い町並みが少し残っています。
ここでは九世紀頃にはすでに集落があったと言われ、寛文7年(1667年)に名古屋城下から岩倉方面に至る旧岩倉街道が通じました。
今では町屋や土蔵が少し残り、昔馬つなぎの時使われている石もまだ残っているのです!当時の賑わいが想像できます。
さらに、善光寺別院 願王寺いうお寺がありますが、インド神話上の巨鳥や韓国済洲島守護神像もあって、異国に迷い込んだって感じです。
郵便局も昭和の雰囲気です。ここで出した手紙は、もしかして昔の世界に届くのかも?
とても「都会の名古屋」と思えない古い町並みでブラブラと1時間散策しました。
最後は自転車と記念写真を!
そろそろお昼の時間です。名古屋に戻って、午後は文化の道の白壁・主税・橦木エリアに巡ります。
今日のランチは白壁Hanacoに行きました。
ここの「選べる定食」はメイン3品・サラダ・16穀ご飯・お味噌汁がついた人気のメニューです。 健康への気遣いから、無農薬野菜を使い、栄養バランスの良い且つボリューム満点の組み合わせで、人気のおかずはすぐ売り切れになる可能性があります。
美味しい食事を楽しんだ後、旅を再開します。
このエリアは、江戸時代から明治、大正へと続く名古屋の近代化の歩みを伝える多くの建物などの貴重な歴史的建造物が残されているので、「文化のみち」と名付けられました。
二葉館のかつての主は、日本初の女優としてアメリカやフランスでも舞台に立った川上貞奴と、福沢諭吉の養子で木曽川水系の発電所を建設し電力王と呼ばれた福沢桃介でした。
二人は1920年から1926年までの6年間を共にここで暮らしていました。
この和洋折衷の建築は当時東二葉町にあったことから「二葉御殿」と呼ばれていました。2005年現在の場所に移築・復元し、開館しました。
まさにロマン香る大正を感じる場所ですね。
玄関から入った途端、いきなり別世界に入ったかのような感覚になります。 この螺旋階段では、昔美しく着飾った貞奴が下りてきたのでしょう。
ステンドグラスの光がこぼれる大広間がとても美しいです。
南側にある「踊り子」は、もしかしてライトを浴びて舞台に立つ貞奴をイメージしてつくられたものでしょうか。
アーチ状のステンドグラスは当時貴重なものでしょう。その美しさは現在でも健在しています。
二葉館には4つの素晴らしいステンドグラスがあります。これらをデザインしたのは福沢桃介の義弟である杉浦非水です。
東京美術学校(現東京芸術大学)出身で多摩帝国美術学校(現多摩美術大学)の校長を務め、日本のグラフィックデザインの先駆者といわれるほどの人物だそうです。
白壁と組木細工の廊下もほぼ当時のままの姿で保存されていて、大広間西側にあるこの「初夏」と題される、水辺に咲くシャクナゲやユリなどの花を描いたステンドグラスも色彩豊かで美しいです。
ここの2階では、郷土ゆかりの文芸資料室として、坪内逍遙をはじめ、城山三郎、小谷剛、江夏美好、春日井建など名古屋を中心とする郷土ゆかりの文学者も紹介されています。時間があるときにゆっくり楽しみたいところです。
二葉館から歩いて3分間の所に、橦木館というスポットもあります。
ここはは輸出陶磁器商の井元為三郎が、大正末期から昭和初期に建てた邸宅です。大正ロマンが漂う屋根窓のついた洋館、伝統的日本家屋・茶席・庭などがそろっています。
洋館2階のスペード・クローバー・ダイヤのステンドグラスがおしゃれですね。
ここでは名古屋の陶磁器産業の歴史が紹介されています。
外国製と日本製の比較もあって、なかなか興味深いです。
旧台所、浴室、脱衣室...昭和初期の懐かしい雰囲気・生活の様子も見れます。
ここでも当時の流行を先取りしたステンドグラスが配置されていますね。
緑のきれいな庭の一角に茶室があります。今は貸室として使えるだそうです。
今の橦木館は演劇やコンサート、ファッションショー、展覧会など幅広いイベントが行われる文化サロンになっているので、興味があるイベントに出会えるかもしれませんね。
レトロなビルに夢中にしているうちに、夕方になりました。色々見て楽しんだ一日でした。
Nook&Crannyに戻って、自転車を返した後は、ビールとデザートでご褒美。
自転車と言っても、乗る前の飲酒はダメですね。
都会の名古屋でも、昭和レトロなビルが点在しています。これらのビルと出会う度に、名古屋の「長い歴史」を感じますね。
▼この記事を書いたひと
R&Dセンター 陸 依柳
撮影、お城、戦国、ICT、サブカルチャー...常に面白く、新しいものに惹かれるタイプです。地方の戦国イベントによく参加しています☆
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